ものもらいの治し方|麦粒腫と霰粒腫で違う治療と、家でできること
まぶたが赤く腫れて痛い。目やにが出る。今日、眼科に行くべきか、家にある目薬をさしてよいか、迷うと思います。
先にお伝えします。ものもらいの多くは眼科の治療で落ち着きます。ただし「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」では治し方が違い、見た目だけでは区別できません。市販の目薬で様子を見る前に、眼科で確かめてください。自分でつぶすことは絶対に避けてください。
この記事では、すぐ受診してほしいサイン、二つのタイプの違いと眼科での治し方、落ち着くまでの目安、市販薬の考え方、家でできることを順に整理します。読み終えるころには、今日どう動くかを決められます。
このページの内容
- その日のうちに眼科へ行ってほしい4つのサイン
- 麦粒腫と霰粒腫|治し方が違います
- 眼科ではどう治すか
- 落ち着くまでの目安
- 市販の目薬を使ってよいか
- 家でできること、しないほうがよいこと
- 何度も繰り返す場合
- よくあるご質問
- 自分の場合を整理してほしい方へ
その日のうちに眼科へ行ってほしい4つのサイン
次のどれかに当てはまるときは、この記事の続きを読むより先に眼科を受診してください。
- まぶた全体がパンパンに腫れて、目が開けにくい
- ズキズキとした強い痛みがある、痛くて眠れない
- 黄色い膿や、大量の目やにが出ている
- 発熱がある、目の周り全体が赤くなっているなど、全身の症状をともなう
また、見えにくくなった、目を動かすと痛い、物が二重に見えるという場合は、ものもらい以外の病気が隠れていることがあります。早めに受診してください。
麦粒腫と霰粒腫|治し方が違います
「ものもらい」は地域によって「めばちこ」「めいぼ」「おひめさん」などと呼ばれますが、医学的には二つに分かれます。どちらかによって、眼科で行う治療も、家でしてよいことも変わります。
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)
まぶたの脂や汗を出す腺に細菌が感染して起こる、急性の炎症です。まつげの根元が腫れるタイプと、まぶたの内側のマイボーム腺が腫れるタイプがあります。まぶたの違和感、痛み、赤み、充血が主な症状です。数日で膿がたまり、自然に出て落ち着くこともあります。
原因菌は多くの場合、皮膚にふつうにいる黄色ブドウ球菌です。人から人へうつる病気ではありません。体調を崩しているときや、まぶたを不潔な手でさわったときに起こりやすくなります。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)
細菌感染ではなく、まぶたの脂の出口が詰まり、中にたまった脂に体が反応して起こる慢性の炎症です。初めは赤みや痛みがなく、まぶたの中にコリコリとしたしこりが触れるだけのことが多いです。炎症を起こすと、赤みや痛み、目やにが出て、麦粒腫とよく似た見た目になります。
抗菌薬の目薬をさしてもしこりが小さくならない場合、こちらのことがあります。「治らない」と感じている方の一部は、霰粒腫です。
眼科ではどう治すか
麦粒腫の場合
抗菌点眼薬や抗菌眼軟膏が使われます。炎症が強い場合は、抗菌薬の内服が加わることもあります。膿がたまって腫れが強いときは、切開して膿を出す処置が行われることがあります。
霰粒腫の場合
細菌感染が主役ではないため、抗菌薬だけでは小さくならないことがあります。小さいものは自然に吸収されるのを待つこともあり、状態によってはステロイドの注射や、切開して内容物を取り出す処置が検討されます。まぶたを温める方法を勧められることもあります。
どちらのタイプか、どの処置が必要かは、診察しなければ分かりません。自己判断で市販薬を続けるより、一度眼科で確かめるほうが早く落ち着きます。
落ち着くまでの目安
麦粒腫は、治療を始めて1〜2週間ほどで落ち着くことが多いとされています。霰粒腫のしこりは、数週間から数か月かけて少しずつ小さくなることがあり、残る場合には処置が検討されます。
いずれも個人差があり、期間をお約束できるものではありません。処方された目薬は、症状が軽くなっても指示された期間は続けてください。途中でやめると、ぶり返すことがあります。
市販の目薬を使ってよいか
ものもらいに見えても、結膜炎やアレルギー、別の病気であることがあります。原因がはっきりするまでは、自己判断で目薬をささないでください。
使う場合は、防腐剤(ベンザルコニウム塩化物など)が入っていないもの、または1回使い切りタイプを選ぶと、目への負担が少なくなります。数日使っても変わらない、痛みや腫れが強くなる場合は、使い続けずに受診してください。
なお、充血を取る成分(血管収縮薬)が入った目薬を、腫れているときに繰り返し使うことはお勧めしません。見た目の赤みは引いても、状態が分かりにくくなります。
家でできること、しないほうがよいこと
温めるかどうかは、眼科の指示に従う
霰粒腫では、まぶたを温めて脂の出口を通りやすくする方法(温罨法)を勧められることがあります。一方、赤く腫れて痛む時期や、膿がたまっている時期に温めると、かえって悪化することがあります。温めてよいかどうかは、診てもらった眼科に確認してください。
してはいけないこと
- 自分でつぶす、針などで刺す
- 汚れた手やタオルで目をこする
- 腫れているのにコンタクトレンズやアイメイクを続ける
- 処方された目薬を、症状が軽くなったからと自己判断でやめる
落ち着いてから続けたいこと
- 前髪が目にかからないようにする
- アイラインやマスカラは、その日のうちにきちんと落とす。古い化粧品は入れ替える
- コンタクトレンズは、装着前後の手洗いとケースの清潔、交換時期を守る
- まぶたを洗いすぎない(必要な脂まで落とすとかえって荒れます)
これらは眼科でも勧められる基本的なケアですが、続けていれば必ず起こらなくなる、というものではありません。
何度も繰り返す場合
年に何度も、あるいは同じ場所に繰り返す場合は、その都度の治療だけでなく、繰り返す条件を見ていく必要があります。当店では、甘いものや脂っこいものの量、緑黄色野菜や卵が足りているか、胃腸の調子、寝る時間、目をこする癖を伺っています。
詳しくはものもらいが治らない・繰り返すとき|受診の目安と、体質から見ていくことに書きました。お子さんの場合は子どものものもらい|すぐ眼科へ行く目安と、家でできることをご覧ください。
よくあるご質問
ものもらいは人にうつりますか
麦粒腫も霰粒腫も、人から人へうつる病気ではないとされています。ただし、はやり目(流行性角結膜炎)のようにうつる病気と見た目が紛らわしいことがあります。判断は眼科にお願いします。
自然に治るのを待ってもよいですか
軽いものは自然に落ち着くこともあります。ただし、腫れや痛みが強い、数日たっても変わらない、視界に影響が出ている場合は受診してください。待つあいだも、こすったりつぶしたりしないでください。
お風呂やプールに入ってもよいですか
入浴は問題ないことが多いですが、腫れや痛みが強いときは長湯を避けてください。プールについては、状態によって判断が変わるため、眼科で確認してください。
しこりだけが残っています
霰粒腫の可能性があります。時間をかけて小さくなることもありますが、残る場合は処置が検討されます。放置せず、一度眼科で見てもらってください。
漢方薬でものもらいを治せますか
治療は眼科が中心です。漢方薬は、繰り返す背景として体調や生活を見ていくときの選択肢のひとつで、眼科の治療の代わりになるものではありません。処方された目薬を自己判断でやめないでください。
自分の場合を整理してほしい方へ
三つの入口があります。
まず質問だけしたい方。食事や生活のことでしたら、LINEでお送りください。目の状態を診断することはできませんので、そこは眼科にお願いします。
繰り返す理由を整理したい方。食事、睡眠、胃腸の調子を思い出せる範囲で書き出してお持ちください。順番を一緒に決めます。
じっくり相談したい方。オンライン漢方相談は、全国どこからでもお受けしています。所要は一時間ほどです。
病院のお薬を使っている方、持病のある方は、漢方薬を足す前に必ず医師・薬剤師にお伝えください。ものもらい全体の説明はものもらいの漢方相談にまとめています。
参考文献
- 日本眼科学会「麦粒腫」(確認日 2026年9月15日)
- 日本眼科学会「霰粒腫」(確認日 2026年9月15日)
- 日本眼科医会「目の病気 ものもらい」(確認日 2026年9月15日)
漢方と目の病気について
緑内障
緑内障とは、目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経という器官に障害が起こり、視野が狭くなる病気のことです。
感染性角膜炎
感染性角膜炎とは、角膜に細菌や真菌(カビ)などが感染して、炎症を起こす病気のこと。
翼状片
翼状片とは、白目を構成する結膜とその下の部分が異常に繁殖して、角膜(黒目)の上に伸びて、かぶさってしまう目の病気です。
ものもらい
ものもらいとは、まぶたにある脂や汗を出す腺に細菌が感染して起こる急性の化膿性炎症のことです。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は、目の表面に花粉などのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が付着することで、この結膜が炎症を起こす病気です。
VDT症候群(テクノス眼症)
VDT症候群とは、同じ姿勢でVDTを見つけ続ける作業を長時間行うことで現れる、眼精疲労や倦怠感といった症状の総称です。