ドライアイの原因と、今日からできる対処|目薬の選び方と受診の目安
目が乾く、ゴロゴロする、夕方になるとつらい。パソコンやスマートフォンを使う時間が長い方から、こうしたご相談をよくお受けします。
先にお伝えします。ドライアイは「涙が足りない」だけの状態ではありません。涙の量が減るタイプと、涙の質が変わって蒸発しやすくなるタイプがあり、対処が変わります。市販の目薬を選ぶ前に、自分がどちらに近いかを知っておくと、遠回りが減ります。痛みや見えにくさがあるときは、まず眼科で確かめてください。
この記事では、ドライアイのしくみ、症状のチェック、原因、今日からできる対処、目薬の選び方、受診の目安、中医学ではどう考えるかを順に整理します。読み終えるころには、今日どこから手をつけるかを決められます。
このページの内容
- 先に眼科で確かめてほしいとき
- ドライアイとは|涙の量と質、二つのタイプ
- 症状のチェック
- 原因になりやすいこと
- コンタクトレンズとの付き合い方
- 今日からできる対処
- 目薬の選び方
- 中医学では目の乾きをどう見るか
- よくあるご質問
- 自分の場合を整理してほしい方へ
先に眼科で確かめてほしいとき
次のような場合は、市販の目薬で様子を見ずに眼科を受診してください。
- 強い目の痛みがある
- 見えにくい、かすむ、視力が落ちた
- 片目だけ症状が強い
- コンタクトレンズを使っていて痛みや充血が出た
- 目やにが多い、まぶたが腫れている
- 口の渇きや関節の痛みを一緒に感じる(別の病気が隠れていることがあります)
ドライアイは、放っておくと目の表面に傷がつくことがあります。症状が続くときは、自己判断で市販薬を使い続けるより、一度診てもらうほうが確実です。
ドライアイとは|涙の量と質、二つのタイプ
涙は、目の表面を守り、細かな傷を修復し、ものをはっきり見るための膜をつくっています。この涙のはたらきが不安定になった状態がドライアイです。
涙は3つの層でできています。いちばん外側が蒸発を防ぐ油層、その内側が大部分を占める水層、目の表面に涙を密着させるムチン層です。どこかひとつが崩れると、涙が均一に広がらなくなります。
涙の量が減るタイプ
涙そのものの分泌が減っている状態です。加齢や、涙腺のはたらきの低下、薬の影響などで起こります。目が乾く、しょぼしょぼする、という訴えが中心になります。
涙の質が変わるタイプ
量はあっても、油層が不足して蒸発が早い状態です。まぶたの縁にあるマイボーム腺(脂を出す腺)の詰まりが関わることが多く、画面を見続けてまばたきが減る方に起こりやすいタイプです。「涙は出ているのに乾く」と感じるのはこちらが多いです。
ドライアイの方が「かえって涙が出る」と話されることがありますが、これは乾いた表面が刺激され、反射的に涙が出ている状態です。潤っているわけではありません。
症状のチェック
次のうち、当てはまるものがいくつあるか見てみてください。
- 目が乾く、しょぼしょぼする
- 目が疲れる、重い
- 目がゴロゴロする、異物感がある
- 目が痛い、しみる
- 目が赤くなりやすい
- 夕方になると見えにくい、かすむ
- 理由もなく涙が出ることがある
- 10秒間、目を開けたままでいるのがつらい
いくつも当てはまる場合、ドライアイの可能性があります。ただし、これは診断ではありません。似た症状は結膜炎やアレルギー、まぶたの炎症でも起こります。
原因になりやすいこと
画面を見る時間
ふだんのまばたきは1分間に15回程度とされますが、画面を集中して見ているとその回数が大きく減ります。まばたきが減ると涙が目の表面に広がらず、乾きやすくなります。
乾いた環境
冬の乾燥、エアコンや暖房の風、扇風機の風が正面から当たる席。こうした環境では涙の蒸発が早まります。
コンタクトレンズ
レンズは目の表面と涙のあいだに入るため、涙の膜が不安定になりやすくなります。装用時間が長いほど負担がかかります。
加齢とホルモンの変化
年齢とともに涙の分泌は減っていきます。更年期前後に乾きを感じやすくなる方もいます。
薬の影響
血圧の薬、抗ヒスタミン薬、一部の向精神薬などで、涙の分泌が減ることがあります。心当たりがある方は、自己判断で中止せず、処方した医師や薬剤師にご相談ください。
睡眠不足とストレス
緊張が続くと、涙の分泌にも影響します。眠りが浅い時期に乾きが強くなる、という方は少なくありません。
コンタクトレンズとの付き合い方
コンタクトレンズを使いながらドライアイと付き合っている方は多くいらっしゃいます。やめる必要はありませんが、次の点は確認してください。
- 装用時間が長すぎないか。乾く日は眼鏡に切り替える
- 使用期限と交換時期を守る。「もう1日」を重ねない
- 装着前後の手洗い、ケースの清潔を保つ
- 目が赤い、痛い日は装用を休む
- 定期検査を受け、レンズが今の目に合っているか診てもらう
レンズの種類(ハード・ソフト)や素材によって、乾きやすさの感じ方は変わります。どれが合うかは目の状態によって違うため、眼科で相談してください。乾くからといって、市販の洗浄液や目薬を自己判断で足すことはお勧めしません。
今日からできる対処
- 20分ごとに画面から目を離す。遠くを20秒ほど見て、意識してまばたきを数回します
- 画面の位置を目線より下げる。見上げる姿勢は目を大きく開くことになり、蒸発が増えます
- 風が顔に当たらないようにする。エアコンの向き、扇風機、車の送風口を確認します
- 部屋の湿度を保つ。加湿器やぬれタオルでも変わります
- まぶたを温める。蒸しタオルや市販の温熱アイマスクで、脂の出口が通りやすくなります。ただし、強い充血や痛み、目をぶつけた直後、感染が疑われるとき、眼科で温めないよう言われているときは行わないでください
- 睡眠を優先する。寝不足が続くと戻りにくくなります
まぶたの縁の汚れが気になる方は、眼科で目もとの清拭(リッドハイジーン)について相談してみてください。やりすぎると必要な脂まで落ちるため、方法を確認してから行うほうが安全です。
目薬の選び方
市販の目薬は種類が多く、迷うところです。選ぶときは次を目安にしてください。
- 乾きが主なら、涙を補うタイプ(人工涙液)を選びます
- 充血を取る成分(血管収縮薬)が入ったものを常用しない。赤みは引いても、乾きそのものは変わりません
- 回数が多くなる方は、防腐剤の入っていないものや1回使い切りタイプを選ぶと目への負担が減ります
- 眼科で処方された目薬は、自己判断でやめない
- 2週間ほど使っても変わらないときは、原因が別にあると考えて受診する
成分や使い方で迷ったときは、購入前に薬剤師にご相談ください。持病や服用中のお薬によって、選び方が変わることがあります。
中医学では目の乾きをどう見るか
中医学では、目は「肝(かん)」と関係が深く、目を養う材料を「血(けつ)」や「陰(いん)」という言葉で考えます。これらは西洋医学の臓器や血液そのものを指す言葉ではなく、体のはたらきを整理するための見方です。
目の乾きが続くとき、相談では次のような見立てを手がかりにしています。病名と処方を一対一で結びつけるものではありません。
- 血が足りない状態:目のかすみ、立ちくらみ、爪が割れやすい、月経量が少ないなどを伴う
- 陰が不足している状態:夜更かしや目の酷使が続き、口の渇き、ほてり、寝汗などを伴う
- 巡りが滞っている状態:肩こりや頭痛があり、目の奥の重さが続く
食事では、たんぱく質が毎食とれているか、緑黄色野菜が入っているか、甘いものや辛いもの、お酒が続いていないかを伺います。漢方薬を検討する場合も、体力、胃腸、冷え、睡眠、服用中のお薬を確認したうえで考えます。眼科で処方された目薬の代わりになるものではありません。
よくあるご質問
ドライアイは放っておいても大丈夫ですか
軽い乾きは環境を整えるだけで落ち着くこともあります。ただし、続く場合は目の表面に傷がつくことがあります。見えにくさや痛みがあるときは受診してください。
目薬をさしても、すぐにまた乾きます
涙の質が変わって蒸発が早いタイプかもしれません。水分を補うだけでは足りないことがあるため、まぶたを温める、画面の時間を見直す、といった対処と合わせてみてください。それでも変わらなければ眼科で確認を。
涙が出るのにドライアイと言われました
乾いた表面が刺激され、反射的に涙が出ている状態です。涙の量ではなく、質や広がり方の問題であることが多いです。
市販のサプリメントは効きますか
食品であり、ドライアイを治すものとして使うことはできません。食事でたんぱく質やビタミンA、オメガ3脂肪酸を含む食品がとれているかを先に確認することをおすすめします。
温めるのと冷やすのは、どちらがよいですか
乾きや疲れが主なときは温めると楽に感じる方が多いです。かゆみや強い充血、炎症があるときは温めないでください。判断に迷う場合は眼科で確認を。
自分の場合を整理してほしい方へ
三つの入口があります。
まず質問だけしたい方。食事や生活のことでしたら、LINEでお送りください。目の状態を診断することはできませんので、そこは眼科にお願いします。
何から確認すればよいか整理したい方。使っている目薬(成分名)、画面を見ている時間、睡眠時間、コンタクトの装用時間を控えてお持ちください。順番を一緒に決めます。
じっくり相談したい方。オンライン漢方相談は、全国どこからでもお受けしています。所要は一時間ほどです。
ドライアイ全体の説明は乾き目(ドライアイ)の漢方相談に、目薬選びはドライアイの目薬の選び方に、アイメイクとの関係はアイメイクと目の病気にまとめています。目の痛みや異物感が続く場合は目がチクチク痛い・ゴロゴロするときもご覧ください。
参考文献
- 日本眼科学会「ドライアイ」(確認日 2026年9月15日)
- 日本眼科医会「ドライアイ」(確認日 2026年9月15日)
- 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(確認日 2026年9月15日)