メニエール病のはっきりした原因は解明されていませんが、耳の内耳という奥の部分にある液体が、正常時よりも増えてしまうことによって起こると考えられています。この液体は、『内リンパ嚢』という袋のような膜に入っていて『内リンパ液』といわれ、この膜の外側には『外リンパ液』が存在しています。
これらの液体は分泌されたり、再吸収されたりを繰り返して、通常は一定の量が保たれているのですが、分泌量が増えたり、再吸収される量が減ったりして、内リンパ液の量が一定量よりも増えてしまった状況になるとメニエール病が発症するとされています。
内リンパ液が増えると圧力がかかり、内耳が膨れます。さらに内リンパ液が増えると圧力に耐えられなくなり、覆っている膜が破れてしまいます。膜が破れると内リンパ液と外リンパ液が混ざり合ってしまい、メニエール病の代表的な症状であるめまいを引き起こすとされています。
分泌量や再吸収量がなぜ変化してしまうのかは、いまだに分かっていないため、根本的な原因は不明です。また、発作の引き金として、疲労や睡眠不足、ストレスなどが挙げられます。