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目の病気・症状

加齢黄斑変性の漢方相談|ゆがみ・見えにくさを感じる方へ

まっすぐなはずの線が曲がって見える。視野の真ん中が暗い、または欠ける。加齢黄斑変性は、網膜の中心にある黄斑がダメージを受け、見たいところが見えにくくなる病気です。

見え方が変わると、字を読む、人の顔を見分ける、料理をする、といった毎日の動作が不安になります。その気持ちは、自然なものです。

まず眼科で、診断を受けてください。日本眼科医会の資料には、滲出型の加齢黄斑変性は、すぐに治療を開始する必要がある、と書かれています。そのうえで葵堂薬局では、眼科の治療を続けていただいたまま、体質、栄養、血流にかかわる暮らし、飲んでいる薬を伺って整理します。漢方で治る、と約束するものではありません。

このページでは、漢方相談で何を確認するか、眼科の治療とどう並行するか、相談の方法と費用を先にお伝えし、そのあとに加齢黄斑変性の基礎知識をまとめます。

読み終えると、受診を急ぐサイン、相談の前に用意するメモ、サプリメントを考えるときの順番が分かります。眼科で加齢黄斑変性と診断された方、見え方のゆがみが気になっている方、注射などの治療を受けながら、ほかにできることを探している方に向けて書きました。

このページの内容

  1. こんな場面に心当たりはありませんか
  2. 眼科の治療と並行して、薬局で相談できること
  3. 体質と併用薬を確認して、漢方を検討する流れ
  4. 相談の方法・時間・料金
  5. 加齢黄斑変性の基礎知識
  6. よくある質問

こんな場面に心当たりはありませんか

次のどれかに当てはまる方は、このページが役に立ちます。

  • 障子の桟や、本の行がゆがんで見える
  • 視野の真ん中だけが暗い、または欠けている
  • 片目をふさぐと、見え方がおかしいことに気づいた
  • 眼科で注射などの治療を受けているが、ほかにできることを知りたい
  • サプリメントを飲んだほうがよいのか、迷っている

治療を急いだほうがよい病気です

日本眼科医会の資料には、滲出型加齢黄斑変性は、すぐに治療を開始する必要がある、と書かれています。初期には、ものがゆがんで見える、中心が見づらい、視界の真ん中がかすむ、といった症状が多く、進行すると真ん中が見えなくなります。

片目だけのときは、もう片方の目が補って、気づかないことがあります。日ごろから、片目ずつふさいで、見え方を確かめてください。「以前と違う」と感じたときは、様子を見ずに眼科へ行ってください。

注射などの治療に加えて、見るところがあります

眼科では、新しい血管(新生血管)を抑える注射などの治療が行われます。それは治療の柱です。

薬局の漢方相談では、その治療を続けていただいたうえで、網膜に栄養を届ける血流にかかわる暮らし、食事、睡眠、胃腸の状態、喫煙などを、体質と合わせて整理します。眼科の治療の代わりではなく、治療と並行して、体の側の背景を見る、という立場です。

すぐに受診してほしいとき

次のときは、様子を見ずに、できるだけ早く眼科を受診してください。

  • まっすぐな線が、急に曲がって見えるようになった
  • 視野の中心が急に暗くなった、または欠けた
  • 治療中に、見え方が急に悪くなった
  • 突然、視野の一部が見えなくなった(脳や網膜の別の病気のことがあります)

眼科の治療と並行して、薬局で相談できること

眼科と薬局は、役割が違います。眼科の治療を続けながら、薬局では体の状態を整理し、漢方を使うかどうかも含めて検討します。

場所主にすること
眼科診断、病型の判定、視力・眼底・OCTなどの検査、注射などの治療、経過の観察
葵堂薬局診断と治療内容の確認、飲んでいる薬やサプリメントの確認、体質、食事、睡眠、胃腸、血流にかかわる暮らしの確認、漢方を使うかどうかの検討

薬局にできないのは、診断と、眼科の治療の代わりになることです。「漢方があるから眼科の治療をやめてよい」ということは、ありません。眼科の治療や処方薬は、自己判断でやめないでください。

体質と併用薬を確認して、漢方を検討する流れ

漢方薬は、「加齢黄斑変性」という病名だけで選びません。次の順に伺い、そのうえで検討します。私が相談の最初に確認する順番です。

1 眼科での診断と、治療の状況

  • 病型:進行の速い滲出型か、比較的ゆっくり進む萎縮型か
  • 通院の状況:抗VEGF薬の注射やレーザー、光線力学的療法の有無、通院の間隔
  • 使っている点眼薬、サプリメント

2 見え方の変化

  • まっすぐな線がゆがんで見えるか(変視症)
  • 視野の中心が暗い、または欠けているか
  • 急な変化があったか。あれば、先に眼科へお勧めします

3 全身の状態

  • 冷え、肩こり、睡眠、胃腸の調子、血圧や血糖、脂質など、血流にかかわる持病
  • 食事の内容、喫煙、紫外線を浴びる環境
  • 健診や病院の血液検査のデータ

診断のない段階では、まず眼科の受診をお勧めします。ほかの目の病気が隠れていないかを確かめるためです。

中医学では、どう見るか

中医学は、西洋医学とは別の考え方です。加齢黄斑変性という病名ではなく、いまの体の状態を、次の三つの方向から見ます。西洋医学で証明された仕組みではなく、中医学の見方です。

たとえば、庭木の元気がなくなる理由は、土そのものがやせたのか、根に水や養分が届かないのか、水はけが悪くて根が傷んでいるのかで違います。体も同じで、目の不調でも、見る方向が違えば、整えるところも変わります。

見方中医学での考え方相談で見る様子
腎の衰え(腎虚)腎とは、生命力の土台にあたるはたらきです。中医学では、「目は五臓六腑の精を受けて働く」と考え、老化は腎の衰えと結びつくとみます。加齢とともに腎の力が不足すると、目の機能を支えにくくなると考えます加齢による衰えを感じる、腰や足のだるさ、夜間の頻尿、耳鳴り
肝の血の不足(肝血不足)中医学では、肝は目と深く結びつくと考えます。「肝は血を蔵す」とされ、血が不足すると、目の細かい組織まで栄養が届きにくくなる、とみます目の乾き、かすみ、疲れやすい、爪がもろい、顔色が白い
血の滞りと水の滞り(瘀血・水滞)瘀血とは、血の巡りが滞った状態を指す中医学の言葉です。水滞は、余分な水分がとどまった状態です。血管の細かい道筋が滞り、目の奥の環境が乱れる、とみます冷え、肩こり、頭痛、むくみ、唇や舌の色が暗い

実際の相談では、これらのいくつかが重なっています。見方の組み合わせと、飲んでいる薬、飲みやすさを合わせて、漢方を使うかどうか、使うならどれにするかを検討します。病名や見方一つだけで決めることはしません。

血の巡りにかかわる生薬を考えるときは、出血のしやすさに特に注意します。滲出型のように出血が起こりうる病型では、生薬の選び方を慎重にし、眼科の主治医と連携します。お薬手帳と、眼底検査やOCTなどの検査結果を、薬局にも見せてください。

ドルーゼンと血流について、私が考えていること

ドルーゼンとは、網膜の細胞から出た老廃物が、網膜の下にたまったものです。加齢黄斑変性の前段階にあたるサインとされています。

ここからは、医学的に確立した話ではなく、私の見方です。本来、老廃物は、網膜のすぐ下を流れる脈絡膜という血管の層の血流で運び去られます。加齢や動脈硬化で血流が落ちると、運び去る力が追いつかなくなり、たまりやすくなる。さらに大きくなると、網膜への酸素や栄養の補給が妨げられる。私は、そう考えて、血流にかかわる暮らしを確認しています。

血液検査と栄養から、私が見ていること

食事の内容と、健診や病院の血液検査のデータを、必ず拝見します。血液の流れに影響する血圧、血糖、脂質、貧血の有無、栄養の偏りを見るためです。数値だけで、自己診断や自己判断はしません。

黄斑の病気なので、私は、ルテインは大切な栄養素だと考えています。日本眼科医会の資料にも、黄斑を保護する色素であるルテインを含む緑黄色野菜を積極的に食べること、亜鉛を含む牡蠣や海藻をとることが挙げられています。サプリメントについては、下の「サプリメントについて」をご覧ください。

西岡の考え

一番お伝えしたいのは、眼科の診断と治療が最優先、ということです。漢方は、その治療を続けていただいたうえで、体の側の状態を整理するための相談です。

目だけを見るのではなく、冷え、肩こり、血流の滞り、睡眠不足、胃腸の弱りといった、体の土台を一緒に見ます。体の状態を整えることが、網膜の環境を内側から支える手伝いになる、と私は考えています。これは、診療ガイドラインの記述とは別の、私の相談での考え方です。

そして、漢方やサプリメントを、自己判断で眼科の治療の代わりにしないでください。出血のリスクがある病型では、特に注意が必要です。お薬手帳と検査結果を共有していただき、眼科の主治医と連携して考えます。

暮らしの中で見直すこと

  • 禁煙:日本のガイドラインには、久山町の研究で、喫煙習慣により後期の加齢黄斑変性の発症が4倍に増えたと報告された、と書かれています。喫煙している方には、禁煙が勧められています
  • 紫外線:強い光はダメージの一因と考えられています。外出時はサングラスや帽子を使ってください
  • 血圧と脂質:高血圧や脂質異常症は、危険因子とされています。健診の結果を確認し、必要なら内科で相談してください
  • 食事:ガイドラインは、魚、果物、野菜を多くとり、飽和脂肪酸(肉の脂身やバターなど)を控える食生活を、すべての段階の患者さんに勧めてもよい、としています

相談の前に用意しておくと役立つメモ

  • 診断名と病型、いつから治療しているか
  • 注射の回数と日付、点眼薬の名前
  • 飲んでいる薬とサプリメント(お薬手帳)
  • 眼底検査やOCTの結果(検査結果の用紙や画像)
  • 見え方の変化(ゆがみ、中心の暗さ)、食事、睡眠、お通じの様子

相談の方法・時間・料金

相談料は無料で、所要は30分から1時間です。継続して漢方薬を飲む場合の費用の目安は、毎月20,000〜25,000円ほどです。飲めるか不安な方には、1週間分から用意することもできます。金額と内容は、無料相談の際にご案内します。

オンライン漢方相談は、全国どこからでも受けられます。入口は三つあります。

まず質問だけしたい方。診断名、病型、飲んでいる薬、サプリメントを、LINEで送ってください。何を先に確認するとよいかが整理しやすくなります。

何から確認すればよいか整理したい方。上のメモと、検査結果、お薬手帳をお持ちください。順番を一緒に決めます。

じっくり相談したい方。オンライン漢方相談、またはご来店でお受けします。

ご相談の流れ

  1. LINE、お電話、Web予約でご予約
  2. ご来店、またはオンラインで、体調、お悩み、これまでの経過、暮らしを伺う
  3. 体質の主軸を整理し、漢方を使うかどうかを検討する
  4. 使う場合は、漢方薬をお渡しする
  5. 経過を確認し、必要なら調整する

眼科の治療や処方薬を、自己判断でやめないでください。服用中の薬がある方は、漢方薬を足す前に、必ず医師と薬剤師にお伝えください。

加齢黄斑変性に関する
オンライン漢方相談はこちら >

加齢黄斑変性の基礎知識

加齢黄斑変性とは

ものを見るとき、目に入った光は、網膜という膜で受け取られ、その信号が視神経を通って脳に伝わります。網膜の中心にあたる部分が黄斑で、ものの形や色、文字を見分けるはたらきを担っています。加齢黄斑変性は、この黄斑が、加齢とともにダメージを受けて変化し、見え方に支障が出る病気です。

日本眼科医会の資料によると、黄斑部では、老廃物を処理するはたらきが衰え、老廃物などが沈着して、網膜の細胞や組織に異変が起こると考えられています。高齢化に伴い、日本でも患者さんが増えています。

二つのタイプ

タイプ特徴
滲出型(しんしゅつがた)黄斑の下に新しい血管(新生血管)ができ、その血管がもろいため、出血やむくみが起こる。日本人に多く、進行が速いことがあるため、早い治療開始が大切
萎縮型(いしゅくがた)黄斑が徐々に萎縮していく。欧米人に多く、進行は比較的ゆっくり

症状とセルフチェック

初期は、ものがゆがんで見える、視野の中心が見づらい、視界の真ん中がかすむ、といった症状が多く、進行すると中心が暗くなり、見えにくくなります。片目だけに起こると、もう片方の目が補うため、気づきにくいことがあります。

日ごろから、片目ずつふさいで、障子の桟や方眼紙の線がまっすぐ見えるかを確かめてください。眼科では、方眼状の表(アムスラーチャート)を使った確認も行われます。

検査

眼科では、視力検査のほか、眼底検査、蛍光眼底撮影、光干渉断層計(OCT)などで、黄斑の状態を調べます。日本眼科学会のガイドラインでは、診断に、視力、眼底の所見、眼底写真、蛍光眼底造影、OCT などを用いる、とされています。

ドルーゼン

ドルーゼンとは、網膜の下にたまった老廃物の塊です。大きさによって、硬性ドルーゼンと軟性ドルーゼンに分けられ、大きなものや数が多いものは、加齢黄斑変性の前段階にあたるサインとされます。眼底検査で見つかったときは、眼科の指示に従って、定期的な検査を続けてください。

原因と、かかわる要因

加齢が最大の要因です。そのほか、日本眼科医会の資料やガイドラインには、喫煙、遺伝、紫外線、肥満、高血圧、脂質異常症など、生活習慣にかかわる要因が挙げられています。完全には解明されておらず、いまも研究が進められています。

眼科での治療

滲出型の治療は、新生血管の成長にかかわる物質(VEGF)のはたらきを抑える薬を、目の中(硝子体)に注射する抗VEGF療法が第一選択です。そのほか、光に反応する薬を使う光線力学的療法、レーザー光凝固術が行われることがあります。

萎縮型は、進行がゆっくりなことが多く、定期的な検査で経過を見ていくのが基本です。タイプや進み方は人によって違うため、治療の方針は主治医とよく相談してください。

サプリメントについて

日本眼科学会のガイドラインには、次のように書かれています。海外の大規模な臨床試験(AREDS)で、中期以上の黄斑変性がある方、またはもう片方の目にすでに後期の黄斑変性が出ている方では、抗酸化ビタミン、βカロテン、亜鉛のサプリメントで、後期への進行が抑えられたと報告されました。続く試験(AREDS2)では、βカロテンをルテイン・ゼアキサンチンに替えても、効果に差がないことが示されました。一方、初期から中期への進行を抑える効果は、示されていません。

日本眼科医会の資料は、すでに加齢黄斑変性がある方は、反対の目を守るためにも、医師と相談してサプリメントの服用を検討するのもよい、としています。

つまり、サプリメントは、病気の段階によって位置づけが変わります。自己判断で始める前に、眼科の主治医に、自分の段階で考えてよいかを確認してください。服用中の薬との関係は、薬剤師にもご相談ください。

よくある質問

漢方で、加齢黄斑変性は治りますか

治る、と約束することはできません。加齢黄斑変性の治療は、眼科が担います。私たちは、眼科の治療を続けていただいたうえで、体質、栄養、血流にかかわる暮らしを整理するお手伝いをします。

抗VEGF注射を受けながら、漢方を飲んでもよいですか

併用できるかどうかは、飲んでいる薬と、病型、出血のしやすさを伺って確認します。眼科の主治医と連携できるよう、お薬手帳と検査結果をお持ちください。眼科の治療や薬は、自己判断でやめないでください。

ルテインのサプリメントは、飲んだほうがよいですか

病気の段階によって違います。ガイドラインでは、中期以上などで進行を抑えたという報告がある一方、初期から中期への進行を抑える効果は示されていません。食事で緑黄色野菜をとることは勧められています。サプリメントは、眼科の主治医に、自分の段階を確認してから決めてください。

片目だけゆがんで見えます。様子を見てもよいですか

様子を見ずに、できるだけ早く眼科を受診してください。片目だけのときは、もう片方の目が補うため、気づきにくいのです。滲出型は、早く治療を始めることが大切な病気です。

タバコは、やめたほうがよいですか

喫煙している方には、禁煙が勧められています。日本のガイドラインには、久山町の研究で、喫煙により後期の加齢黄斑変性の発症が4倍に増えたと報告された、と書かれています。禁煙の相談は、かかりつけの医師や薬剤師にもできます。

費用は、どれくらいですか

相談料は無料で、所要は30分から1時間です。継続して漢方薬を飲む場合の目安は、毎月20,000〜25,000円ほどです。1週間分から用意することもできます。

あわせて読みたい

参考文献

  • 公益社団法人 日本眼科医会「知っておきたい加齢黄斑変性―治療と予防―」https://www.gankaikai.or.jp/health/51/index.html(確認日 2026年11月2日)。病型、症状、治療、サプリメント、食事の記述に使用
  • 日本網膜硝子体学会 新生血管型加齢黄斑変性診療ガイドライン作成ワーキンググループ「新生血管型加齢黄斑変性の診療ガイドライン」(日本眼科学会掲載)https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/nvAMD.pdf(確認日 2026年11月2日)。診断、ドルーゼン、危険因子(喫煙)、サプリメント(AREDS・AREDS2)、治療の第一選択の記述に使用
  • 当薬局の相談での考え方は、薬剤師 西岡敬三の見解です