免疫・アレルギー
橋本病・バセドウ病(甲状腺の自己免疫疾患)

健診で「甲状腺が腫れている」「TSHが高い」と言われた。内科で橋本病と診断され「今は薬はいらない、半年ごとに検査」と言われたのに、だるさやむくみが続く。バセドウ病で薬を飲んで数値は落ち着いたのに、動悸や不眠が抜けない。そんな方に向けて書いています。結論からお伝えします。橋本病もバセドウ病も、免疫の異常で起こる自己免疫疾患で、漢方薬で病気そのものを治すものではありません。診断とホルモン値の管理は、内分泌内科や甲状腺専門医の治療が中心です。まず、TSH・FT3・FT4と抗体検査の結果、そして甲状腺の薬を飲んでいるかどうかを確認してください。葵堂薬局の漢方相談でお手伝いできるのは、病院の治療を続けていただくことを前提に、数値が落ち着いても残るだるさ、むくみ、冷え、動悸、不眠といった体調面を整えることです。
このページでは、二つの病気の違い、検査結果のどこを見るか、薬を飲むうえで薬剤師として必ず伝えていること、当店の相談で多いパターン、中医学の見立てを順に整理します。読み終えたとき、次の受診で何を聞けばよいか、自分の不調のどこが甲状腺で、どこが体調面なのかを分けて考えられるようになることを目指しています。「数値は正常と言われたのにつらい」「薬はいつまで飲むのか不安」という方に、特に読んでいただきたい内容です。
このページの内容
- 橋本病とバセドウ病は何が違うか
- 検査で確認すること
- 病院の治療と、薬剤師として伝えたいこと
- 当店の相談で最初に伺うこと
- 相談で多いパターン
- 中医学では橋本病・バセドウ病をどう捉えるか
- 血液検査と栄養で見ること
- 食事・睡眠・生活
- 西岡の考え
- よくある質問
橋本病とバセドウ病は何が違うか
どちらも甲状腺の自己免疫疾患です。自己免疫疾患とは、本来は細菌やウイルスから体を守る免疫が、自分の体の一部を攻撃してしまう病気の総称で、当店の免疫疾患のページで扱っている抗リン脂質抗体症候群も同じ仲間です。橋本病は免疫が甲状腺の組織を攻撃して慢性の炎症を起こし、甲状腺ホルモンが足りなくなる方向に進む病気です。バセドウ病は免疫が作る抗体が甲状腺を刺激し続け、甲状腺ホルモンが多すぎる方向に進む病気です。
甲状腺は首の前にある小さな臓器で、全身の代謝の速さを決めるホルモンを出しています。足りなければ体の働きがゆっくりになり、多すぎれば体が常に走らされているような状態になります。同じ甲状腺の病気でも、症状も治療も正反対です。
| 橋本病(慢性甲状腺炎) | バセドウ病 | |
|---|---|---|
| 免疫の異常 | 甲状腺の組織に対する抗体(抗TPO抗体、抗サイログロブリン抗体)が慢性の炎症を起こす | TSH受容体に対する抗体(TRAb)が甲状腺を刺激し続ける |
| ホルモン | 足りなくなる方向。ただし橋本病の人全員ではない | 多すぎる方向 |
| 多い人 | 成人女性の10人に1人、男性の40人に1人。30〜40代女性に多い | 人口1,000人に0.2〜3.2人。20〜30代に多く、男女比は1:3〜5 |
| 主な症状 | だるさ、寒がり、むくみ、体重増加、便秘、皮膚の乾燥、気分の落ち込み、月経過多、首の腫れや圧迫感 | 動悸、体重減少、手の震え、暑がり、汗、下痢、イライラ、不眠、首の腫れ、目の症状 |
| 病院の治療 | 機能が正常なら治療せず定期検査。低下していれば甲状腺ホルモン薬 | 抗甲状腺薬、放射性ヨウ素内用療法、手術のいずれか |
橋本病そのものは、日本内分泌学会によると成人女性の10人に1人にありますが、そのうち甲状腺機能低下症まで進むのは4〜5人に1人未満で、日本甲状腺学会の診断ガイドラインでは約1割とされています。「橋本病と言われた=一生薬」ではありません。一方、バセドウ病は治療せずに放置すると心房細動や心不全、骨折のリスクが高まるとされています。
もう一つ知っておきたいのは、動悸や体重減少があるからバセドウ病、とは限らないことです。橋本病の人にも、甲状腺に蓄えられていたホルモンが一時的に漏れ出て、3か月以内に自然に戻る「無痛性甲状腺炎」が起こることがあります。痛みと発熱を伴う「亜急性甲状腺炎」も、数か月で自然に改善します。どちらもバセドウ病とは治療が違うため、見分けは医療機関の検査で行います。
検査で確認すること
甲状腺の病気は、血液検査でほぼ状態が分かります。お手元の結果にどの項目があるかを確認してください。
- TSH(甲状腺刺激ホルモン):脳が甲状腺に出す指令。甲状腺の働きが落ちると高くなり、多すぎると低くなる
- FT4・FT3(遊離甲状腺ホルモン):実際に働いているホルモンの量
- 抗TPO抗体・抗サイログロブリン抗体:橋本病の診断に使う抗体
- TRAb(TSH受容体抗体):バセドウ病の診断に使う抗体
- 甲状腺の超音波検査:腫れの様子や内部の状態
日本甲状腺学会の診断ガイドライン2024では、橋本病は甲状腺の腫れと抗体などの検査所見を、バセドウ病は甲状腺中毒症の症状・腫れ・目の症状と、FT4やFT3の高値・TSHの低値・TRAb陽性などの検査所見を組み合わせて診断します。
相談でよくあるのが、TSHとFT4だけを測って抗体を調べていないケースです。抗体の検査をしていないのなら、次回の検査で調べてもらってください。抗体があるかどうかで、いまの数値が橋本病によるものか、今後どのくらいの間隔で経過を見るのか、妊娠を考えるときに何に注意するのかが変わります。当店の相談でも、抗体の有無は体質を考える出発点にしています。
橋本病で「機能正常」と言われたとき
甲状腺機能が正常な橋本病は治療の必要がなく、定期的な検査で経過を見ます。TSHだけが高くFT4は正常という「潜在性甲状腺機能低下症」の段階では、妊娠中や妊娠を希望している場合は速やかにホルモンを補い、TSHが10μU/mL以上や高コレステロール血症がある場合は投与を検討する、というのが日本内分泌学会の説明です。「薬はいらない」と言われた背景には、こうした基準があります。
受診を急ぐ症状
- 抗甲状腺薬(メルカゾールなど)を飲んでいて、突然の高熱やのどの激しい痛みが出た
- 動悸が激しく息苦しい、脈が飛ぶ
- 高熱、強い動悸、意識がもうろうとする(甲状腺クリーゼの可能性)
- ものが二重に見える、目が急に飛び出してきた、視力が落ちた
病院の治療と、薬剤師として伝えたいこと
橋本病(甲状腺機能低下症)の薬
足りない甲状腺ホルモンを合成T4製剤(レボチロキシン、商品名チラーヂンSなど)で補います。少量から始めて少しずつ増やし、維持量を決めます。一度機能低下症になると、生涯の補充が必要になることが多いとされています。
薬剤師として必ずお伝えしているのは飲み合わせです。鉄剤、カルシウム製剤、アルミニウムを含む胃薬、コレステロールや腎臓の薬の一部(コレスチラミン、炭酸ランタン、セベラマーなど)は、消化管でチラーヂンと結びついて吸収を妨げます。添付文書では、服用間隔をできるだけあけるよう書かれています。ワルファリンや糖尿病の薬とも影響し合うため、飲んでいる薬とサプリメントはすべて主治医と薬剤師に伝えてください。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の治療
抗甲状腺薬(チアマゾール=メルカゾール、プロピルチオウラシル)、放射性ヨウ素内用療法、手術の三つがあり、多くはまず薬から始めます。日本内分泌学会は、薬は外来で治療できる一方で副作用と再発率が高く、2年以上続けて中止の目途が立たない場合は他の治療を検討する、と説明しています。放射性ヨウ素は小児・妊婦・授乳婦には行えず、目の症状が悪化することがあります。手術は効果が最も早い反面、入院と傷跡、反回神経麻痺などのリスクがあります。動悸や手の震えが強い時期には、β遮断薬(脈を落ち着かせる薬)が一緒に出されることがあります。
薬剤師として最初に必ずお伝えするのが、抗甲状腺薬の副作用「無顆粒球症」です。白血球の一種が急に減って感染に弱くなる状態で、添付文書では主に投与開始後2か月以内に起こり、開始後2か月間は原則2週に1回の血液検査を行うとされています。初期症状は発熱とのどの痛みで、風邪と区別がつきません。抗甲状腺薬を飲んでいて突然の高熱やのどの激しい痛みが出たら、様子を見ず、次の分を飲む前に処方医に連絡してください。夜間や休日なら救急外来です。この対処法を医師から聞いているかどうかを、当店では相談の最初に確認しています。ほかに肝機能障害やじんましんが出ることもあります。
もう一つは自己中断です。症状が落ち着くと「治った」と感じて薬を減らしたりやめたりしてしまう方がいますが、ホルモン値が急に悪化することがあります。減らすかどうかは血液検査の結果をもとに医師が決めます。妊娠を希望している場合は、妊娠初期に薬の種類を変えることがあるため、必ず事前に主治医に伝えてください。
バセドウ病の目の症状
まぶたの腫れ、目の突出、乾燥、ゴロゴロ感、ものが二重に見えるといった症状は「甲状腺眼症」という自己免疫の炎症が原因のことが多く、市販の目薬で解決するものではありません。日本甲状腺学会と日本内分泌学会が診断基準と治療指針を出している病気で、眼科での評価が必要です。喫煙は目の症状を悪化させ、薬の効きも落とすため、禁煙が勧められています。目の乾きが主な症状の場合は、乾き目(ドライアイ)のページで触れているシェーグレン症候群など、別の自己免疫疾患が重なっていることもあります。
当店の相談で最初に伺うこと
最初に血液検査の結果を見せていただきます。TSH・FT3・FT4、そして抗体検査です。そのうえで次のことを伺います。
- 健康診断で指摘されたのか、体調不良の検査で分かったのか、他院で診断されて経過観察中なのか
- 医師から「ホルモン値は正常」と言われているか、「低下している」「亢進している」と言われているか
- 甲状腺の薬(チラーヂン、メルカゾールなど)を飲んでいるか
- サプリメントや鉄剤、市販薬を常用していないか
- 妊娠中・授乳中か、近いうちに妊娠を希望しているか。月経の周期や経血量の変化
- 昆布、わかめ、のりを毎日大量に食べる習慣、毎日の昆布だし、ヨウ素を含むサプリメントの有無
橋本病の方に確認すること
強いだるさ、いくら寝ても眠い、食事量が変わらないのに体重が増える、頑固な便秘、ひどい寒がり、汗が出ない、皮膚の乾燥、顔や手足のむくみ、記憶力や集中力の低下、気分の落ち込み。どれが強いかで、体調面のどこから整えるかが変わります。
バセドウ病の方に確認すること
今いちばんつらい症状(動悸、手の震え、急な体重減少、暑がり)、β遮断薬が出ているか、高熱やのどの痛みが出たときの対処を医師から説明されているか、飲み忘れや自己判断で減らしたことがないか、最近の検査日と数値、皮膚のかゆみや発疹、だるさ。薬の量が前回と変わっている場合は、検査結果に基づく調整かどうかも伺います。
相談で多いパターン
橋本病の方
①「機能正常・薬はまだ」と言われたが、だるさ・むくみ・冷えが続く
数値は基準内なので医療機関では治療対象になりませんが、本人は毎日つらい、という状態です。当店では、ホルモン値以外の要素を一つずつ確認します。睡眠の質、胃腸の調子、冷えの場所、月経、ストレス、食事の内容です。甲状腺以外に体調を落としている要因が見つかることが少なくありません。
②チラーヂンで数値は正常になったのに、疲労感や気力の低下が抜けない
ホルモン補充で数値は安定しているのに、なんとなく不調が続くというご相談です。まず薬の飲み方(鉄剤や胃薬との間隔、飲み忘れ)を確認します。そのうえで、中医学でいう気血の不足や腎の弱りがないかを、冷え、食欲、睡眠、月経から見ていきます。
③顔や足のむくみ、下半身の冷え、減らない体重
甲状腺機能が低下すると代謝が落ち、水分や老廃物が体にたまりやすくなります(粘液水腫)。食事量を減らしても体重が減らない、胃腸が弱って食欲が落ちている、という状態です。当店では、水分代謝と胃腸の働きを中心に見ます。
④気分の落ち込みで心療内科にかかっているが、抜け毛や強い眠気もある
甲状腺機能の低下は、気分の落ち込みや眠気として現れることがあります。甲状腺の検査を受けたことがなければ、主治医にTSHの検査を相談するようお伝えしています。心療内科の薬を自己判断でやめることは勧めません。うつと漢方のページも参考にしてください。
バセドウ病の方
①数値は正常になったのに、動悸、息切れ、手の震え、のぼせ、不眠が残る
長い期間、体が全力で走らされていた分、ホルモン値が落ち着いても体力の消耗が残っていることがあります。中医学ではこれを気陰両虚(エネルギーと潤いの両方が減った状態)と捉え、消耗した分をどう補うかを考えます。
②仕事や受験、人間関係のストレスが重なった時期に発症・再発した
常に緊張していて、イライラや胸のざわつきが強い方です。中医学では気の滞りや高ぶりがホルモンの乱れに影響すると考え、気の巡りと睡眠を整える方向で相談します。
③妊娠を希望している、産後に悪化した
20〜40代の女性に多い病気なので、妊娠と重なる相談が多くあります。薬の調整は必ず主治医に、というのが大前提です。橋本病の方も、産後に産後甲状腺炎や機能低下を合併する方が約6割いるとされ、産後の検査が大切です。妊活の体調管理については不妊のページで案内しています。
中医学では橋本病・バセドウ病をどう捉えるか
これは中医学の考え方で、西洋医学の診断とは別の枠組みです。首の腫れを特徴とする病気は、古典では「癭病(えいびょう)」と呼ばれてきました。同じ甲状腺の病気でも、足りない側と多すぎる側では見立てが逆になります。
橋本病(足りない側)
たとえるなら、燃料が足りず暖房も弱っている家です。中医学では次のような状態が重なると考えます。
- 腎陽虚(じんようきょ):体を温める力が不足した状態。強い冷え、むくみ、だるさ、足腰の重さ、気力の低下。生命力をつかさどる「腎」の働きが弱っていると見ます
- 気血不足(きけつぶそく):活動のエネルギー(気)と栄養(血)が足りない状態。慢性的な疲労、無気力、抜け毛、貧血傾向
- 痰湿(たんしつ):水分代謝が滞り、余分な水分や老廃物がたまった状態。体重増加、むくみ、のどのつかえ感
- 肝鬱気滞(かんうつきたい):ストレスで気の巡りが滞った状態。気分の落ち込み、胸のつかえ
相談では、弱った腎を温める、不足した気を補って胃腸の働きを支える、といった方向で体調を考えます。
バセドウ病(多すぎる側)
たとえるなら、アクセルを踏みっぱなしでエンジンが空回りしている車です。
- 肝火旺(かんかおう):ストレスや緊張が長引いて、体内で激しい熱に変わった状態。イライラ、目の充血、顔のほてり、口が苦い、手の震え、不眠
- 陰虚火旺(いんきょかおう):熱が長引いて、体を潤し冷やす「陰液」が干上がった状態。寝汗、強いのどの渇き、食べているのに痩せる、手のひらや足の裏のほてり、動悸
- 気陰両虚(きいんりょうきょ):エネルギーも潤いも消耗しきった状態。鉛のような体の重さ、息切れ、動悸、脈が飛ぶ
- 痰結(たんけつ)・瘀血(おけつ):甲状腺の腫れや眼球突出は、巡りが悪くなって固まった老廃物と血の滞りが関わると見ます
相談では、肝の熱を冷ます、潤いを補って空焚きの熱を鎮める、エネルギーと潤いを同時に補う、といった方向で考えます。証(体質の見立て)と処方は一対一ではなく、同じバセドウ病でも冷え、胃腸、睡眠、服用中の薬によって選択が変わります。
血液検査と栄養で見ること
- TSH・FT3・FT4・抗体:甲状腺の状態そのもの
- コレステロール、肝機能:甲状腺機能が低下すると高くなることがある
- 貧血(ヘモグロビン、フェリチン):橋本病では月経過多から貧血になりやすい。鉄剤を使う場合はチラーヂンとの間隔をあける
- 白血球分画、肝機能:抗甲状腺薬の服用中は定期的に確認される項目
ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料ですが、摂りすぎは橋本病の機能低下のきっかけになり、ヨウ素過剰があれば制限するのが日本内分泌学会の方針です。昆布、昆布だし、昆布茶はヨウ素が特に多く、日常的な大量摂取は避けてください。わかめ、のり、ひじきを通常の食事の範囲で食べる分は、一般には制限されません。ただし病状や治療の段階で医師から指示が出ることがあります。ヨウ素を高用量で含むサプリメントや、甲状腺に良いとうたう健康食品を自己判断で始めないでください。
漢方薬の生薬にもヨウ素を含むものや、甘草のように長期服用で注意が必要なものがあります。漢方薬を併用するときは、必ず主治医に伝えてください。
食事・睡眠・生活
バセドウ病の方
禁煙、カフェインとアルコールは控えめに、過労と睡眠不足を避ける。ストレスは悪化と再発の要因とされています。激しい運動は数値が落ち着くまで主治医と相談してください。
橋本病の方
冷えを避け、体を動かして代謝を保つ。日中の強い眠気と夜の浅い眠りが同時に起きることがあるので、睡眠の記録をつけると相談の材料になります。眠りの悩みが強い方は不眠のページも参考にしてください。
妊娠を考えている方
日本内分泌学会は、橋本病の方が妊娠を希望する場合はTSH2.5μU/mL以下を目標に調整し、妊娠が分かったらホルモン薬を20〜30%増量、産後6〜12週と6か月に検査、と説明しています。妊娠が分かった時点で自己判断で薬をやめるのは危険です。すぐ主治医に連絡してください。
西岡の考え
橋本病もバセドウ病も自己免疫疾患で、漢方薬で完全に治ると医学的に証明されているわけではありません。病院の治療が中心で、甲状腺の薬は足りないホルモンを補ったり、過剰な分泌を抑えたりする命綱です。ご自身の判断でやめたり減らしたりしないでください。当店でお手伝いできるのは、薬を飲んでいても残るだるさ、冷え、むくみ、動悸、不安感、不眠といった不調を、体全体のバランスから整えることです。そのために最初に血液検査を見せていただき、抗体を調べていなければ次回の検査でお願いしてください、とお伝えしています。
よくある質問
Q. 漢方で橋本病・バセドウ病は治りますか
漢方薬だけで治るものではありません。免疫の異常が原因の病気で、病院での治療が中心です。当店では、治療を続けながら残る不調を体調面から整えることをお手伝いします。
Q. 甲状腺の薬はやめられますか
病気の種類と状態によって大きく異なります。甲状腺の組織がすでに壊れて自力でホルモンを作れない橋本病や手術後は、生涯の服用が必要です。バセドウ病は数年かけて薬でコントロールするうちに落ち着き、医師の判断で薬を終えられる方も比較的多くいます。いずれも判断は主治医が行い、自己判断でやめないでください。
Q. 海藻は食べてはいけませんか
通常の食事の範囲なら、一切食べてはいけないということはありません。昆布と昆布だし、昆布茶の日常的な大量摂取は避け、ヨウ素を高用量で含むサプリメントは使わないでください。
Q. 妊娠を考えていますが、今のままでよいですか
必ず主治医に相談し、ホルモン値が妊娠に適した状態か確認してください。妊娠初期の赤ちゃんはまだ自分で甲状腺ホルモンを作れず、お母さんのホルモンに頼っています。そのため日本甲状腺学会の手引きでは、母体の甲状腺機能の異常が流産や早産、赤ちゃんの神経発達に影響する可能性が指摘されています。多すぎても少なすぎても影響するので、橋本病でもバセドウ病でも、妊娠前からの数値の管理が大前提です。漢方相談は病院の治療の代わりにはなりません。
Q. 自律神経失調症やうつ病との違いは
甲状腺の病気は、動悸、不眠、だるさ、気分の落ち込みなど、自律神経失調症やうつ病と似た症状を出します。違いは血液検査で分かります。「検査で異常なし」と言われた不調が続くときは、TSHを測ったかを確認してください。
Q. 目の症状は治まりますか
バセドウ病の目の症状は甲状腺眼症という別の炎症で、甲状腺の数値が落ち着いても残ることがあります。眼科での評価が必要で、市販の目薬では解決しません。禁煙が勧められています。
Q. 漢方薬と甲状腺の薬を一緒に飲めますか
飲んでいる薬をすべてお伝えいただき、主治医にも併用を伝えたうえで検討します。チラーヂンは吸収が繊細なので、服用時間をずらすなどの工夫をします。
まずはご相談ください
検査結果をお持ちでしたら、症状や今の状況とあわせてLINEやメールでお気軽にお送りください。
もう少し詳しくお話を伺いたい方は、無料のオンラインカウンセリングをご利用ください。
参考文献
- 日本内分泌学会「橋本病(慢性甲状腺炎)」https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=41(確認日 2026年9月19日)
- 日本内分泌学会「バセドウ病」https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=40(確認日 2026年9月19日)
- 日本内分泌学会「甲状腺中毒症」https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=37(確認日 2026年9月19日)
- 日本甲状腺学会「甲状腺疾患診断ガイドライン2024」https://www.japanthyroid.jp/doctor/guideline/japanese.html(確認日 2026年9月19日)
- 日本甲状腺学会「潜在性甲状腺機能異常症の診断と治療の手引き(妊娠編)」2025年5月 https://www.japanthyroid.jp/doctor/img/20251009_senzaisei-kinou-ijou.pdf(確認日 2026年9月19日)
- 日本甲状腺学会・日本内分泌学会「バセドウ病悪性眼球突出症(甲状腺眼症)の診断基準と治療指針2023」https://www.j-endo.jp/uploads/files/edu/koujyousengansyo_3.pdf(確認日 2026年9月19日)
- メルカゾール錠 添付文書、チラーヂンS錠 添付文書(KEGG MEDICUS 経由、確認日 2026年9月19日)