慢性腎臓病

健診で「eGFRが下がっています」「尿蛋白が出ています」と言われた。自覚症状はほとんどないのに、「慢性腎臓病(CKD)の疑い」「CKDステージG3」と言われて調べている。そんな方にこのページを書いています。結論からお伝えします。一度低下した腎機能を完全に元に戻す方法は、現代医学にも漢方にもありません。ただし、原因になっている病気の治療と生活管理を続けることで、進行のスピードを緩やかにできることは医学的に示されています。まずは、eGFRや尿蛋白の異常が3か月以上続いているかを、かかりつけ医に確認してください。葵堂薬局の漢方相談でお手伝いできるのは、通院・食事療法を続けていただくことを前提に、むくみやだるさ、冷えといった体調面を整えることです。

このページの内容

  1. 慢性腎臓病(CKD)とは
  2. 重症度はステージで見る
  3. 放置するとどうなるか
  4. 医療機関で確認すること
  5. 市販の痛み止め(ロキソニンやイブ)は飲んでよいか
  6. 食事療法の基本
  7. 当店の相談で最初に伺うこと
  8. 相談で多いパターン
  9. 中医学では慢性腎臓病をどう捉えるか
  10. 西岡の考え
  11. よくある質問

慢性腎臓病(CKD)とは

慢性腎臓病(CKD)は、単独の病名ではなく、腎臓の働きが慢性的に低下している状態、または蛋白尿など腎臓が傷ついているサインが3か月以上続いている状態を指す言葉です。厚生労働省は、eGFR(推算糸球体濾過量)が60未満であること、または蛋白尿・尿潜血などの腎障害の所見があることのいずれか、または両方が3か月以上持続した状態と説明しています。

原因としてもっとも多いのは、糖尿病や高血圧といった生活習慣病です。メタボリックシンドロームも背景になります。急性腎炎のように感染症をきっかけに短期間で起こるものとは異なり、CKDは何年もかけてゆっくり進むため、初期にはほとんど自覚症状がありません。進行すると、むくみ、貧血、夜間頻尿、だるさ、息切れといった症状が現れてきます。

糖尿病が原因の場合は糖尿病性腎症のページ、感染症をきっかけに短期間で起こる場合は急性腎炎のページで詳しく説明しています。

重症度はステージで見る

CKDの重症度は、原因になっている病気、eGFR(G区分)、尿蛋白の量(A区分)を組み合わせたステージで評価されます。同じeGFRの数値でも、尿蛋白があるかどうかで重症度は変わります。

G区分 eGFR(mL/分/1.73㎡) 状態の目安
G1 90以上 正常または高値
G2 60〜89 正常〜軽度低下
G3a 45〜59 軽度〜中等度低下
G3b 30〜44 中等度〜高度低下
G4 15〜29 高度低下
G5 15未満 末期腎不全

これに、尿検査で分かる蛋白尿の量による区分を組み合わせます。

A区分 尿蛋白(g/gCr) 状態の目安
A1 0.15未満 正常
A2 0.15〜0.49 軽度蛋白尿
A3 0.50以上 高度蛋白尿

「G3aA2」のように、G区分とA区分を組み合わせて表されます。ご自身の結果がどこにあたるか分からない場合は、次の受診時に主治医に確認してください。

放置するとどうなるか

CKDは、腎臓だけの問題にとどまりません。動脈硬化を進める要因でもあり、CKDのある方はない方に比べて、脳卒中や心筋梗塞といった心血管疾患を起こす割合が高いことが分かっています。ステージが進むと、貧血や骨の異常が現れやすくなり、さらに進行すると、食事療法だけでは対応できなくなり、透析が必要になることがあります。

「症状がないから大丈夫」ではなく、症状が出にくい病気だからこそ、数値による経過観察が重要になります。

医療機関で確認すること

CKDと言われた場合、まず確認したいのは次のことです。

  • eGFRと尿蛋白(または尿潜血)の結果、そしてそれが3か月以上続いているか
  • 原因になっている病気があるか(糖尿病、高血圧など)とその治療状況
  • 次にいつ、何の検査を受けるか
  • 食事について、塩分やタンパク質の制限がどの程度必要か

CKDの原因治療と経過観察は医療機関で行うことが前提です。当店の漢方相談は、その代わりになるものではありません。

市販の痛み止め(ロキソニンやイブ)は飲んでよいか

頭痛や腰痛で市販の鎮痛薬を使ってよいか、というご質問をよくいただきます。ロキソニンやイブなどに含まれるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、腎臓の血流を保つ働きに関わる物質の産生を抑えるため、腎臓への負担が指摘されている成分です。もともと腎機能が低下している方では、この負担が大きくなりやすいとされています。

自己判断で常用せず、痛み止めが必要なときは、CKDがあることを医師・薬剤師に伝えたうえで、使ってよいか、どの薬なら負担が少ないかを確認してください。市販薬を選ぶときも、薬剤師に一声かけていただくと安心です。

食事療法の基本

CKDの食事療法の基本は、減塩とタンパク質の調整です。食塩は、ステージが進んでも1日6g未満を目標にすることが基本とされています。タンパク質の制限は、腎臓への負担を減らす目的で行われますが、制限しすぎるとエネルギー不足や体力低下につながるため、目標値はステージによって異なります。

自己判断で極端な制限をせず、主治医・管理栄養士の指導に沿って、ご自身のステージに合ったエネルギー・タンパク質・塩分・カリウムの目安を確認してください。

当店の相談で最初に伺うこと

  • eGFRと尿蛋白(または尿潜血)の結果、それが3か月以上続いているか
  • 服用中のお薬・サプリメントの状況
  • 市販の痛み止め(ロキソニン、イブなど)を使うことがあるか
  • 原因になっている病気(高血圧、糖尿病など)の治療状況
  • 日頃の食事、塩分・タンパク質制限の状況

検査結果をお持ちいただけると、体質を考えるうえでの材料になります。

相談で多いパターン

①健診でeGFRの低下を指摘されたが、自覚症状がなく不安

数値だけを見せられても実感がわかず、どのくらい心配すべきか分からない、というご相談です。まずは主治医に、原因や今後の見通しを確認することをお勧めしたうえで、体調面で整えられることを一緒に考えます。

②透析への不安が強い

「このまま透析になってしまうのでは」という不安から来られる方も多くいらっしゃいます。ステージや進行のスピードは人によって大きく異なりますので、不安な気持ちを伺いながら、今できることを一つずつ整理していきます。

③市販の痛み止めを使ってよいか分からない

頭痛や腰痛のたびにロキソニンやイブを使ってよいか迷う、というご相談です。自己判断せず、医師・薬剤師に確認していただくことをお伝えしています。

中医学では慢性腎臓病をどう捉えるか

これは中医学の考え方で、西洋医学の診断とは別の枠組みです。中医学の「腎」は、西洋医学の腎臓そのものではなく、生命力の源、老化や水分代謝、骨や耳とも関わる働きを指す言葉です。CKDの背景には、次のような状態が関わると考えます。

腎虚(じんきょ)

加齢や慢性的な疲労で、腎の力そのものが衰えた状態です。手がかりは、腰や膝のだるさ、耳鳴り、夜間頻尿、冷え、疲れやすさです。CKDのもっとも土台になる見立てとして考えます。

瘀血(おけつ)

血の巡りが滞っている状態です。手がかりは、顔色がくすむ、肩こりや頭痛が強い、舌の色が暗いことです。

痰飲・湿濁(たんいん・しつだく)

余分な水分や老廃物が体にたまった状態です。手がかりは、むくみ、体が重だるい、胃もたれです。

気虚(ききょ)

体を動かすエネルギーが不足した状態です。手がかりは、疲れやすさ、息切れ、食欲不振です。

実際の相談では、これらが単独で現れることは少なく、腎虚に瘀血が重なる、腎虚に痰飲が重なるというように、複数が組み合わさっていることが一般的です。たとえるなら、家の土台(腎)が弱っているところに、排水管が詰まったり(痰飲)、配管の流れが悪くなったり(瘀血)している状態です。土台だけ、配管だけを直すのではなく、全体を見ながら整えていく、という考え方です。

西岡の考え

一度低下した腎機能を漢方薬で元に戻すことはできません。原因になっている糖尿病や高血圧の治療、食事療法を続けていただくことが前提で、漢方薬がその代わりになることはありません。当店の漢方相談でお手伝いできるのは、むくみ、だるさ、冷え、夜間頻尿といった体調面を、体質から整えることです。市販の痛み止めの使い方や、食事制限のつらさなど、日常の困りごとも遠慮なくお伝えください。一人で抱え込まず、まず数値の意味を主治医に確認することを、いつもお伝えしています。

よくある質問

Q. 漢方で慢性腎臓病は治りますか

漢方薬だけでCKDを治すものではありません。原因になっている病気の治療と食事療法を続けていただくことが前提で、その代わりになるものではないとお考えください。

Q. 漢方で進行を止められますか

進行を止めると保証できるものではありません。当店でお手伝いできるのは、むくみやだるさなど体調面を整えることです。進行のスピードに関わることは、原因治療と生活管理が中心になります。

Q. ロキソニンやイブなどの市販の痛み止めは飲んでいいですか

自己判断で常用せず、CKDがあることを医師・薬剤師に伝えたうえで確認してください。腎臓への負担が指摘されている成分です。

Q. 減塩がつらいです。何かコツはありますか

だしや香辛料、酸味を活用して塩分以外の風味を効かせる、麺類の汁を残す、加工食品を減らすといった工夫が一般的に紹介されています。ただし具体的な目標値は主治医・管理栄養士の指導に従ってください。

Q. 漢方薬と病院の薬を一緒に飲んでも大丈夫ですか

自己判断で組み合わせず、現在飲んでいるお薬をすべてお伝えください。それをもとに、一緒に使えるかを確認します。

まずはご相談ください

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もう少し詳しくお話を伺いたい方は、無料のオンラインカウンセリングをご利用ください。


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参考文献

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「CKD/慢性腎臓病」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-073.html(確認日 2026年9月18日)
  • 一般社団法人 日本腎臓学会「CKD診療ガイド2024」https://jsn.or.jp/data/gl2024_ckd_ch08.pdf(確認日 2026年9月18日)
  • 東京都保健医療局「ほっとけないぞ!CKD慢性腎臓病」https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/shippei/ckd/p3.html(確認日 2026年9月18日)
漢方の葵堂薬局 漢方相談 100選掲載(旧バージョン)
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