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免疫疾患
抗リン脂質抗体症候群は、自己免疫疾患というカテゴリーに含まれます。抗リン脂質抗体症候群は、血液の中に『抗リン脂質抗体』という自分の身体の成分に対する抗体によって、血液が固まりやすくなってしまい、それによりいろいろな部位の動脈または静脈の血栓症、習慣流産などの妊娠合併症を誘発する疾患です。
若い人が脳梗塞を発症する場合や、流産を繰り返す人がいる場合の原因のひとつとして、一考されます。抗リン脂質抗体症候群の患者さんは、全身性エリテマトーデスを合併していることが多いです。
遺伝的要因と環境的要因が重なって抗リン脂質抗体が生成され、血栓症を引き起こすとされていますが、その原因は不明です。この抗体が、血管内で血栓が作られにくくすることを阻んでしまう、血管内皮障害を引き起こす、血管拡張を阻害するなどと考えられますが、不明な点が多く、解明されていません。
抗リン脂質抗体症候群の症状には、
〈動脈〉皮膚潰瘍、四肢壊疸、網膜動脈血栓症、一過性脳虚血発作、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、疣贅性心内膜炎、弁膜機能不全、腎梗塞、腎微小血栓、肝梗塞、腸梗塞、無菌性骨壊死など〈静脈〉血栓性静脈炎、網状皮斑、下腿潰瘍、網膜静脈血栓症、肺梗塞・塞栓症、血栓性肺高血圧症、バッド・キアリ症候群、肝腫大など
自己免疫性溶血性貧血、エヴァンズ症候群、頭痛、舞踏病、血管炎様皮疹、アジソン病、虚血性視神経症などがあります。動脈血栓症では、脳梗塞などの脳血管障害が90%以上を占めます。
てんかん、片頭痛、舞踏症、行動異常、意識障害などの精神神経症状が現れますが、それが脳梗塞を伴わない場合には、直接抗リン脂質抗体が神経障害を引き起こしていると考えられます。静脈血栓症では、下肢などでの深部静脈血栓症が一番多く、再発や多発することがあります。
産科の症状の中では、習慣流産が多いです。習慣流産は、3回以上の自然流産をしたら、そう呼ばれます。一般的に自然流産は妊娠早期に起こりますが、抗リン脂質抗体症候群の場合には妊娠中期に流産となることが特徴です。習慣流産の原因として胎盤梗塞が考えられています。胎盤梗塞により、循環不全が起き、胎児への栄養補給や酸素供給が低下し、胎盤発達障害や胎児の死亡に至るのです。そのほかに、胎児発育不全、子癖前症、早産、胎児仮死などの合併症がみられます。
一般的には、血液を凝固しにくくする治療が行われます。他の疾患から抗リン脂質抗体症候群を発症した場合には、元の疾患の治療とともに、抗血液凝固療法を並行して行います。抗血液凝固療法には抗血小板剤、抗凝固剤、線維素溶解剤がありますが、それらが病気の状態に合わせて処方されるのです。
深部静脈血栓症では、肺梗塞にならないように、下大静脈内フィルターの留置を行います。脳梗塞では、脳のダメージへの配慮が必要となりますので、脳保護薬や脳浮腫への管理を行います。
抗リン脂質抗体症候群は再発率が高い疾患です。動脈及び静脈血栓症はそれぞれ同じ症状で再発する傾向があり、長期的に治療を行う必要があります。治療中は出血のリスクが高まるので、抜歯などの出血を伴う外科的処置には医師への相談しましょう。妊娠を希望する場合には、計画性や流産への対応などを考慮することが必要となります。
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