自己免疫性溶血性貧血、エヴァンズ症候群、頭痛、舞踏病、血管炎様皮疹、アジソン病、虚血性視神経症などがあります。動脈血栓症では、脳梗塞などの脳血管障害が90%以上を占めます。
てんかん、片頭痛、舞踏症、行動異常、意識障害などの精神神経症状が現れますが、それが脳梗塞を伴わない場合には、直接抗リン脂質抗体が神経障害を引き起こしていると考えられます。静脈血栓症では、下肢などでの深部静脈血栓症が一番多く、再発や多発することがあります。
産科の症状の中では、習慣流産が多いです。習慣流産は、3回以上の自然流産をしたら、そう呼ばれます。一般的に自然流産は妊娠早期に起こりますが、抗リン脂質抗体症候群の場合には妊娠中期に流産となることが特徴です。習慣流産の原因として胎盤梗塞が考えられています。胎盤梗塞により、循環不全が起き、胎児への栄養補給や酸素供給が低下し、胎盤発達障害や胎児の死亡に至るのです。そのほかに、胎児発育不全、子癖前症、早産、胎児仮死などの合併症がみられます。