西洋医学では、鼻の吸引、炎症に対してはマクロライド系あるいはペニシリン系の抗菌薬を使い、副鼻腔に溜まった膿を取り除き症状を改善します。
それに対して漢方治療では、漢方薬を用いて鼻腔(鼻の穴)や副鼻腔内にたまった膿を出し、回復の手助けをしながら症状を改善させるという流れになります。そして、繰り返さないための体質改善治療へと移していくことも可能です。
サラサラの鼻水には小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、黄色いドロドロの鼻水には荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、鼻がつまり、後鼻漏がある場合は辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)など、それぞれの症状に合わせた漢方薬を用います。また、アレルギー性鼻炎や風邪などが長期化して体力を消耗している場合などは、元気を補う漢方薬、黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)や補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を処方する場合もあります。
西洋薬と比較して漢方薬は自然の生薬なので、体に優しく副作用が無いと思われがちですが、上記に挙げた漢方薬の中にも胃の弱い方に副作用が出るものもあります。さらに、副鼻腔炎の具体的な症状、発症からどれくらい経過したかなどによっても処方は異なります。より効果的な治療を行うためには、専門医や漢方薬局などで詳しい症状の説明をして処方をしてもらう必要があります。
副鼻腔炎の原因は、高い確率で風邪やアレルギーによって起こることは、上記にもある通りです。つまり、免疫力を高めて、風邪をひきにくくする、アレルギーに強い体にすることができれば、副鼻腔炎になる確率は格段に下がることになります。
漢方の治療は薬だけではありません。日頃の生活を改善することが治療に繋がることもあります。以下に副鼻腔炎の養生法についてまとめてみました。