心の病気
むずむず脚症候群、別名「下肢静止不能症候群」とは足に様々な不快な感覚起こる足に不快な症状が発生する病です。症状の特性上じっとしていることが難しく仕事や学業などの日常生活に支障をきたす厄介な病気です。また、明確な原因は解っておらず、西洋医学の治療も根治ができるアプローチでは無いので発症すると一生付き合う必要が有ります。病院治療では足りない部分に漢方薬を上手に使う事で、不快症状を軽減しより快適な生活を目指すことができます。

レストレスレッグス症候群、通称「むずむず脚症候群」とは足に不快な感覚が起こる症状が特徴を持つ病です。発症割合は100人に5人の割合と報告されており男性に比べ女性に多いという特徴があります。

「脚がむずむずする・脚を動かしたくて我慢できなくなる・ほてる・かきむしりたくなる・脚の深部に何とも言えない不快な感じや違和感」はありませんか?その症状が夕方から夜にかけてあらわれたり、強くなったりする場合にはむずむず脚症候群かもしれません。
日本のレストレスレッグス症候群の患者さんは人口の2%~4%で推移し具体的な数字で表すと200万~400万人にあたります。このうち治療が必要なのは70万人ほどと考えられており、100人に5人くらいの割合で発生している病気です。女性に多くみられ男性に比べ女性の方が1.5倍ほど多く、高齢になるほど増加する傾向にあります。
足の深部に不快な感覚が表れたり、痒みや痛み、虫が這うような感覚が足に表れる病気です。病の特性上、じっとすることが難しく日常生活に支障がでる可能性があります。

出典:大塚製薬より
むずむず脚症候群では「足の中を虫がはうような感覚・足のほてり・足のかゆみ・足の痛み」などの症状があらわれます。特にあしの中(深部)がかゆいという感覚が特徴的です。足の不快感が表れると「足を動かしたい」という強い欲求が起こり、じっとすることが難しくなります。
・脚の不快症状により集中できない
脚の表面ではなく深部に不快症状を感じる場合があります。両脚、または片脚のどちらも症状が表れる場合があり、進行すると脚以外にも症状が表れることもあります。
・安静時に症状が表れる/強くなる
「横になる・座る」など安静にしていると数分から1時間以内に症状が出てくる場合が多いです。長時間座っていることが難しく、仕事や学業に集中できなかったり、電車や飛行機などの静止しながらの移動に苦痛を感じる場合も多々あります。
・脚を動かすと不快な感覚が軽減される
足を「叩く・さする・歩く」など、脚を動かすと症状が軽くなったり、治まったりします。身体を動かしていれば症状が軽くなることが特徴ですが、運動を止めると症状が再発することも多いです。
・夕方から夜にかけて不快症状が強く表れる
むずむず脚症候群は「夕方から夜に」症状が表れたり、強くなる傾向があります。1日中不快症状が発生する訳では無く、時間帯によって症状の強さが変化するのが特徴です。
ただし、疾患が進行すると昼間に症状があらわれることもあります。
むずむず脚症候群の症状は、夜に落ち着いているときに強くあらわれるという特徴があります。就寝前に症状が起こると「なかなか寝付けない・脚の不快感で目が覚める」など熟眠できないことが多くなります。その結果、連日の睡眠不足によって疲労が解消されず日中の仕事や生活に支障をきたす場合があります。この状態が癖付「睡眠障害」という眠りに関する進退問題も起こる場合があります。
リンク:睡眠障害
はっきりとした明確な原因は残念ながら解っていません。西洋医学で言うエビデンスが無い状態です。いくつかの有力説としてはドパミンの機能異常やドパミンの原料不足によるものと考えられています。
現在のところはっきりとはわかっていません。有力な説はいくつかあるものの、その有力説にたどり着かない患者様も多くおられます。
こちらも明確な原因までは解ってはいませんが、ある程度の原因までは研究によって解っています。有力な説が「神経伝達の異常」と「鉄分の不足」です。
・神経伝達異常
脳の中で神経どうしの連絡役となっている物質である「ドパミン」が何らかの影響でうまく働かなくなると考えられています。現在のところむずむず脚症候群ではこの説が有力とされています。
・鉄分の不足(貧血)
鉄分は体内でドパミンを作る為に必要な原料です。鉄分が不足するとドパミンの生産量が減少し、必要量に足りないので情報伝達がうまくいかなくなると考えられています。
・先天的な要因(遺伝)
むずむず脚症候群は、疾患を持つ家族や親族の中でかかりやすいとの研究結果があります。さらに2000年以降に遺伝子の研究が急速に進み、この病気の発症に関与する遺伝子がいくつか見つかっています。
この病の診断は他の疾患の様に精密検査を行う訳では無く、診断を確定するための特徴的な問診を行います。その為、できるだけ正確に医師に症状を伝える必要があります。
カウンセリング
むずむず脚症候群に類似する症状がある場合、軽度であっても放置せずに病院を訪れましょう。放置する事で生活環境の改善が行われず、症状が悪化する可能性もありますし、診断を確定することで治療に望むことができます。その際、医師とのカウンセリングにてできるだけ正確に症状を伝える必要があります。
医師による自覚症状の確認
レストレスレッグス症候群は、医師が患者さんの症状を聞き取って診断する病気です。その際、特徴的な自覚症状に当てはまっているか否かを確認します。
「ストレスレッグス症候群の4つの特徴的な自覚症状」
・脚に不快な感覚があり脚を動かしたくてたまらなくなる
・横になる座っているなどの安静時に症状があらわれる、または強くなる
・脚を動かすと不快な感覚/症状がやわらぐ
・夕方から夜にかけて症状が強くなる
不快な症状が起こる部位や表現の確認
ある程度問診を終え「むずむず脚症候群」の疑いが出てきた場合には、「足のどの部分で症状が起こるか」や「起こっている症状を具体的にどのように感じるか」など病が表す症状や特性を詳細に聞き、患者様に対し診断を下します。
「症状の部位」
脚の全体/ヒザから上/ヒザから下/脚の指/足のこう/膝など
「症状の具体例」
むずむずする/電流が流れている/脚が笑う/だるい/ちくちくする/かきむしりたくなる/脚を動かしたくなる/ほてる/虫が這(は)うような/感じがする/脚がピクピクする/イライラする等
症状が軽度な患者様に対しては、むずむず脚症候群を悪化させないための「生活習慣の見直し」が行われます。それでは足りない重度の患者様に対しては薬物投与による「対処療法」が行われます。
お薬を使わずに、症状を悪化させる「危険因子」を減らす努力や生活環境/睡眠状態の改善をメインに指導を行います。生活の見直しを行い、症状の改善/悪化の経過を診る治療方法です。
危険因子の抑制
コーヒーやお茶などに含まれるカフェインやアルコール、喫煙はレストレスレッグス症候群の症状を悪化させる危険因子であることが解っています。カフェインは更に鉄分の吸収を妨げるため、注意が必要です。むずむず脚症候群を悪化させない為にも、なるべく危険因子を減らす指導がなされます。
睡眠状態/環境の改善
基本的には規則的な就寝・起床を目指す治療となります。その為、睡眠の妨げになる就寝前の激しい運動やスマートフォンやPCの仕様をなるべく避けるなどの指導を行います。
症状が強く生活習慣の見直しだけでは改善が難しい患者さんの場合では、お薬による治療が行われます。現在の日本では、「むずむず脚症候群の治療薬」として承認されているお薬は、飲み薬と貼り薬です。
鉄材
鉄不足がむずむず脚症候群の原因となっている場合は、鉄を補給する為に鉄材を服用します。鉄材は、人によっては吐き気やだるさなどの副作用が出る場合がありますので、医師の指示をしっかりと守り服用する必要があります。
ドパミン系薬剤
原因の一つである「ドパミンの伝達機能」を改善させるお薬が、のみ薬のプラミペキソールと、貼り薬のロチゴチンの2種類です。
ドパミン系薬剤は過度の使用による副作用で、むずむず脚症候群の症状が手などの他部位に広がったり、胸のむかつき、吐き気などが表れることがあります。このように使用には注意が必要となる為、治療経験が豊富な専門医のもとで、適切な方法で薬を使用することが重要です。
非ドパミン系薬剤
のみ薬のガパペンチンエナカルビルを使用することで神経に直接作用して症状をやわらげる働きがあります。ただし、効力がマイルドな為、非ドパミン系薬剤だけでは十分な治療効果が得られない場合や、症状が強い場合に、ドパミン系薬剤と併用する場合もあります。ただし、腎臓に負担がかかるので腎機能が低下している場合は使えないことがあります。
むずむず脚症候群の患者様は神経伝達の不具合が鉄不足などによって起こっていると考えられています。漢方治療では神経伝達=気、鉄不足=血と東洋医学の考えに置き換え治療を行います。
抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、滋陰降火湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、三物黄芩湯、加味逍遙散、温経湯、小建中湯、牛車腎気丸、八味地黄丸、六味丸、黄連解毒湯
漢方薬治療の基本は「患者様の体調に合わせる・患者様の症状に合わせる」といった一人一人の身体の状態と症状の状態をの2つの状態を考慮し処方を確定します。だから西洋医学の様に全ての人に同じ治療を行う訳では無く、お一人お一人によって漢方薬処方はことなるのです。むずむず脚症候群の様な原因が解り難く病院では治療が難しい病では、特に患者様ののコンディションと病状や症状が起こり得る原因を詳しく伺います。その結果、お身体の調子を崩しておられる部分を東洋医学の考えで立て直しバランスを整えることで症状を改善に導きます。
むずむず脚症候群では神経伝達が上手くいかないことも原因の一つとして挙げられています。これを東洋医学では「気が滞っている」と表現し、現代医学で分かり易く説明すると自律神経の失調などをイメージして頂くと良いです。神経伝達物質の問題は減量の不足も関与していますが、正確な代謝の伝達不良によっても起こり得る問題です。特にむずむず脚症候群の患者様はストレスも多く、既に自律神経が失調されている方も多くおられます。漢方で自律神経が崩れる原因を体内から整えることで自律神経のコンディションを改善に導きます。
むずむず脚症候群の原因の一つと言われている鉄不足にも様々な原因があります。一つは何処かが出血していて慢性的な貧血状態である場合、もう一つは体質的に血液を作り出す力が弱い場合に大別されます。後者は西洋医学では治療ができないので「鉄材」によって対処しますが、鉄材は副作用が出る可能性が高く合わない方も多くおられます。漢方では血液の状態や生産力を改善することを目指し、新たな血液を作る為に材料や臓器のコンディションを整えていきます。
むずむず脚症候群の西洋薬であるドパミン製剤は、パーキンソン病など難病治療に用いられるお薬です。医師の力量や患者様のコンディションによっては強い副作用が発生する場合があります。その場合、治療に必要なお薬であっても続けることが難しくなってしまう可能性が高く治療が前に進まない状態になります。この西洋薬による不具合を漢方を上手に用いることでケアを行い、西洋薬の治療をフォローすることができます。
患者様が気を付けるべきポイントは病状を悪化させないための「生活習慣」と「睡眠」です。どちらも正しく修正していくことで症状の悪化を抑えることが可能なので改善を目指し頑張りましょう。
生活習慣へのアドバイスとしては、症状を悪化させる「危険因子」と解っている「コーヒ・アルコール摂取・喫煙」を控えることです。控えるといってもコーヒーやアルコールは「ゼロにする」という厳格な意味では無く節度ある嗜みにしましょうということです。しかし、喫煙に関しては、禁煙を心掛けると今後の生活においてもプラスとなります。そして不足しがちな鉄分を意識的に食事から補給することを心掛けましょう。
むずむず脚症候群の患者様は症状の特徴から眠りに関し問題を抱えておられる場合が多くあります。症状の特性からストレスが溜まり寝ているようでも深い眠りに付く事が難しく、しっかりと休眠が取れないことが多いです。その場合、入眠を妨げない生活習慣を行うことが望ましく夜間の「カフェイン・アルコール・ブルーライト」など覚醒を促す行為は控えましょう。
お電話でもご質問を承っています
漢方と病気
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・祝 | |
| 10:00~12:00 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 休 |
| 12:00~18:00 | 〇 | 〇 | 休 | 〇 | 〇 | 休 | 休 |
Copyright © 2020 漢方の葵堂薬局【大阪】 - 不妊・緑内障・鬱など漢方相談 全国対応
ご相談はお気軽に!