漢方の葵堂薬局では、全国から漢方相談を承っております。

肺・呼吸器

非結核性抗酸菌症の漢方・東洋医学|呼吸器内科と並行した相談で確認すること

「非結核性抗酸菌症と言われたら」「先に受診するサインと相談前の準備を整理」の文字を載せた、朝露のついた若葉の写真

非結核性抗酸菌症(ひけっかくせいこうさんきんしょう)と診断された、あるいは検査で「疑い」と言われた。薬を飲み始めたが、咳と痰、だるさ、食欲の落ち方が気になる。経過観察と言われ、このままでよいのか不安になる。そう思って「非結核性抗酸菌症 漢方」と検索された方に向けて、漢方の相談で何を確認するのかを、このページにまとめました。

結論からお伝えします。非結核性抗酸菌症の診断と治療の中心は、呼吸器内科での検査(CT、痰の培養検査)と、必要な場合の抗菌薬による治療です。漢方で、菌が減ることも、病気の進み方が変わることも、お約束できません。そのうえで葵堂薬局では、呼吸器内科の検査と治療を続けていただいたまま、飲んでいる抗菌薬との重なり、胃腸、食欲、体重、睡眠、咳と痰の様子を確認します。

診断を受けた方、経過観察中の方、治療中の方、ご家族に診断を受けた方がいる方に向けて書きました。読み終えたときに分かることは、次のとおりです。

この記事でわかること

  • 先に呼吸器内科へ行くべきサイン
  • 薬局で確認すること(抗菌薬との重なり、胃腸、食欲・体重、咳や痰の様子)
  • 漢方薬の名前についての注意
  • 相談の前に用意しておくと役立つメモ

このページの内容

  1. こんな場面に心当たりはありませんか
  2. 呼吸器内科の治療と並行して、薬局で相談できること
  3. 確認して、漢方を検討する流れ
  4. 相談の方法・時間・料金
  5. 葵堂薬局が確認していること
  6. 非結核性抗酸菌症の基礎知識
  7. よくある質問
  8. 自分の場合を整理してほしい方へ

こんな場面に心当たりはありませんか

朝霧の丘をゆるやかに曲がりながら続く小道の写真

次のような場面に、心当たりはありませんか。

  • 病院で「経過観察」と言われ、薬は出ていない。咳や痰、だるさが続いていて、このままでよいのか不安になる
  • 抗菌薬を飲み始めたが、胃のむかつきや食欲の低下で、体重が減ってきた
  • 治療が1年以上続くと聞き、飲み続けられるか自信がない
  • 「非結核性抗酸菌症 漢方」と調べると、漢方薬の名前がたくさん出てきて、どれを信じてよいか分からない

この病気は、進み方がゆっくりで、様子を見る期間も長くなりがちです。厚生労働省は、症状の出方や進み方は人によって違い、慢性化や再燃することもあるため、いずれにせよ慎重な経過観察が必要としています。様子を見ているうちに、受診の間隔があいてしまうと、咳や痰が増えたり、体重が減ったりしても、変化に気づきにくくなります。その間、「いまの自分は、何に気をつければよいのか」を一人で判断するのは難しいものです。

治療を続けることが、いちばん大切です

非結核性抗酸菌症の標準的な治療は、リファンピシン、エタンブトール、クラリスロマイシンの3種類の抗菌薬を組み合わせる方法です。クラリスロマイシンは治療の中心となる薬で、自己判断で減らしたり、やめたりすると、薬が効きにくくなる(耐性)おそれがあるとされています。「薬が合わない」「つらい」と感じたときは、やめる前に、必ず呼吸器内科の主治医に相談してください。

呼吸器内科の治療に加えて、見るところがあります

呼吸器内科は、診断、検査(CT、痰の培養)、治療の要否の判断、抗菌薬による治療を担います。薬局の漢方相談は、その治療を続けていただいたうえで、胃腸、食欲、体重、睡眠、飲んでいる薬の重なりなどを整理するものです。呼吸器内科の治療の代わりではありません。

先に呼吸器内科へ行ってほしいとき

次のときは、漢方の相談より先に、呼吸器内科を受診してください。

  • 血痰(痰に血が混じる)や喀血(咳とともに血を吐く)がある
  • 体重が、はっきりと急に減っている
  • 微熱や高熱が、毎日のように続いている
  • 息切れが強く、日常生活に支障が出ている
  • 長引く咳や痰があるが、まだ病院で診断を受けていない(ほかの肺の病気を調べるためにも、呼吸器内科での検査が先です)
  • 咳、痰、発熱が、これまでより明らかに強くなった

漢方のご相談をお受けできない場合

次の場合は、安全のため、先に呼吸器内科での診察と治療をお願いしています。

  • 病院で診断を受けておらず、検査も受けていない
  • 薬が合わないからと、通院や服薬を自己判断でやめている
  • 病院の治療をやめて、漢方だけにしたい
  • 上に挙げた、血痰や急な体重減少などの症状がある

お伝えするときは、たとえば次のようにお話ししています。「いまは、呼吸器内科の検査と治療を続けることが、いちばん大事な時期です。そのうえで、胃腸や食欲、飲んでいる薬の重なりなどは、一緒に確認できます」。

呼吸器内科の治療と並行して、薬局で相談できること

呼吸器内科と薬局は、役割が違います。呼吸器内科の検査と治療を続けながら、薬局では、体と飲んでいるものの状態を整理し、漢方を使うかどうかも含めて検討します。

場所主にすること
呼吸器内科診断(菌の種類、病型)、胸部CT、痰の培養検査、血液検査、治療の要否の判断、抗菌薬による治療、副作用の確認
葵堂薬局診断名と菌の種類、服薬状況の確認、咳・痰・食欲・体重・睡眠・胃腸・冷えなどの確認、市販薬・サプリメントとの重なりの確認、食事と暮らしの整理、漢方を使うかどうかの検討

薬局にできないのは、診断と、抗菌薬による治療の代わりになることです。抗菌薬は、自己判断で減らしたり、やめたりしないでください。市販薬や漢方薬、健康食品を足すときも、いま飲んでいる薬と重ならないか、先にご相談ください。

確認して、漢方を検討する流れ

浅く澄んだ流れに並ぶ、苔むした飛び石の写真

漢方は、「非結核性抗酸菌症」という病名だけで選びません。次の順に伺い、そのうえで検討します。私が相談の最初に確認する順番です。

1 診断と、通院の状況

  • 確定診断を受けているか。菌の種類(マック症、カンサシ症など)
  • どこの病院に通院しているか。胸部CTや痰の培養検査を、どのくらいの間隔で受けているか
  • 気管支拡張があると言われているか

2 受けている治療と、飲んでいる薬

  • 経過観察中で、まだ薬は飲んでいないか。それとも、抗菌薬(クラリスロマイシン、リファンピシン、エタンブトールなど)を飲んでいるか
  • お薬手帳:ほかの病気の薬、市販薬、サプリメント

3 咳・痰など、いまの症状

  • 咳:空咳か、湿った咳か、出やすい時間帯
  • 痰:量、色、粘り気、出しやすさ。血が混じっていないか
  • 微熱、寝汗、息切れ、だるさ、体重の増減

4 体の状態と、暮らし

  • 胃腸:食欲、下痢・便秘、吐き気。抗菌薬で胃腸の調子を崩しやすいか
  • 冷えやのぼせ、睡眠の状態
  • 直近の血液検査の結果(貧血、栄養状態、肝機能など)

お薬手帳と、検査結果の用紙を、薬局にも見せてください。主治医とも、同じ情報を共有します。

中医学では、どう見るか

西洋医学は、専門ごとに、その部位を詳しく調べます。非結核性抗酸菌症なら、呼吸器内科で、肺の画像と、菌の種類と量を調べます。これは、病院でしかできない大切なことです。一方、中医学(漢方の考え方)は、症状が出ている部位と、体全体のつながりを見ます。たとえば、肺は呼吸だけでなく、水分の巡りや、体を外から守る働きとも関わると考えます。胃腸は、食べたものから体のエネルギー(気)を作る場所と考えます。肺、脾(胃腸の働き)、腎は、体の働きをまとめた中医学の言葉で、解剖学の臓器と同じではありません。どちらが上か、という話ではなく、呼吸器内科で詳しく調べたうえで、体全体の見方を足す、という関係です。

非結核性抗酸菌症の方の体の状態を、次の四つの方向から見ることがあります。西洋医学で証明された仕組みではなく、中医学の見方です。

見方中医学での考え方相談で見る様子
肺と胃腸の、エネルギー不足(肺脾気虚)気とは、体を動かすエネルギーです。胃腸が食べたものから気を作り、それが肺を支える、という関係(培土生金)で見ます疲れやすい、食欲がない、痩せてきた、声に力がない、息切れしやすい
潤いの不足(肺陰虚)体を潤す水分(津液)や血が不足して、乾燥や熱っぽさが出た状態と見ます乾いた咳、のどの乾き、微熱、寝汗、夜から朝方に咳が出やすい
余分な水分や熱のたまり(痰湿・痰熱)胃腸の働きが落ち、余分な水分が痰としてたまる状態を痰湿、そこに熱を伴う状態を痰熱と見ます粘る痰、切れにくい痰、黄色い痰、胸の重さ
長引く消耗(腎の弱り)腎は、体の土台となる力を蓄える場所と考えます。年単位の病気や加齢で消耗した状態を見ます息切れが深い、足腰のだるさ、寝汗、微熱が引かない

実際の相談では、これらのいくつかが重なっています。これらは、CTや痰の培養検査の結果に代わるものではありません。この見立てで、菌が減る、病気が進まなくなる、ということは、医学的に確立していません。

血痰は、中医学で血の巡りの異常と見ることもありますが、まず呼吸器内科で原因を調べる症状です。相談より先に、受診してください。

診断名と、飲んでいる薬、気になる症状を、
LINEで質問してみる >

私の考え:治療を続けられる体の状態を整える

抗菌薬による治療は、1年以上と長くなることがあります。国立健康危機管理研究機構の解説では、菌が出なくなってから、最低1年は治療を続けるとされ、日本では15〜18か月を目安にする報告があるとも書かれています。その間、胃腸の不調や食欲の低下で、薬を続けにくくなる方もいます。

私が相談で大切にしているのは、病院の治療を続けられる体の状態を、一緒に整理することです。食べられているか、眠れているか、体重は減っていないか、胃腸は荒れていないかを、毎回伺います。中医学では、体を支える力(正気)を守りながら、病気に向き合う、という考え方があります。これは、診療の指針の記述とは別の、私の考え方です。漢方で、菌を減らせる、再発を防げる、という意味ではありません。

血液検査と、栄養について

直近の血液検査があれば、お持ちください。貧血、栄養状態、肝機能、腎機能などを、飲んでいる薬と合わせて確認します。食べる量が落ちて、痩せてきた方は、栄養の面からも、食事の組み立てを一緒に考えます。栄養を整えれば病気が良くなる、という意味ではなく、治療を続けられる体の状態を整理する、という位置づけです。

漢方薬の名前について

「非結核性抗酸菌症 漢方処方」と調べて、漢方薬の名前を見て、ここへ来られた方も多いと思います。相談でお話しすることがある漢方薬について、医療用の添付文書の記載を、そのままお伝えします。いずれも、非結核性抗酸菌症に効くと確認されたものではなく、病名だけで選ぶものでもありません。非結核性抗酸菌症への効果は、医学的に確立していません。

漢方薬医療用の添付文書に書かれた効能
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)消化機能が衰え、四肢倦怠感著しい虚弱体質者の次の諸症:夏やせ、病後の体力増強、食欲不振など
人参養栄湯(にんじんようえいとう)病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血
麦門冬湯(ばくもんどうとう)痰の切れにくい咳、気管支炎、気管支ぜんそく
滋陰降火湯(じいんこうかとう)のどにうるおいがなく痰の出なくて咳こむもの
清肺湯(せいはいとう)痰の多く出る咳

注意点は、次のとおりです。

  • どれも甘草(かんぞう)を含みます。添付文書では、血清カリウム値や血圧に十分留意すること、とされ、重大な副作用として、偽アルドステロン症(むくみ、血圧上昇、体重増加など)、ミオパチー(脱力感、手足のけいれん・麻痺など)、肝機能障害・黄疸が挙げられています。甘草を含む別の漢方薬や、グリチルリチン酸を含む薬と重なると、起こりやすくなるとされています。
  • 補中益気湯、麦門冬湯、清肺湯の添付文書には、重大な副作用として間質性肺炎が載っています。咳、息苦しさ、発熱が出た場合は、服用を中止して、すぐに連絡するよう書かれています。肺の病気のある方は、この変化が病気そのものによるのか、薬によるのかを、自分では判断できません。すぐに主治医に連絡してください。
  • 清肺湯は山梔子(さんしし)を含みます。山梔子を含む漢方薬を長く(多くは5年以上)飲むと、腸間膜静脈硬化症(腹痛、下痢、便秘、腹部膨満などを繰り返す)があらわれるおそれがあるとされ、長く使う場合は、定期的な検査が望ましい、と添付文書に書かれています。
  • 抗菌薬の服用中は、主治医のもとで血液検査が行われます。肝機能障害は、漢方薬の添付文書にも重大な副作用として載っているため、検査の数値は、薬局にも見せてください。
  • 漢方薬を足すときは、自己判断で始めず、主治医と薬剤師に伝えてください。

食事と暮らしについて

厚生労働省の解説では、非結核性抗酸菌は、土壌や水系、浴室のシャワーヘッド、水道の蛇口などにもいて、エアロゾル(空気中の細かい水のつぶ)を吸い込むことで、肺に入るとされています。ただし、吸い込んでも発症しない人がいて、発症には、その人の免疫や体質が関わると考えられています。環境中に広くいるため、感染を完全に防ぐのは難しい、とも書かれています。具体的な暮らし方(浴室の掃除、シャワーヘッドの扱い、土いじりの際の注意など)は、主治医の指示に従ってください。

特定の食べ物で、非結核性抗酸菌症が良くなる、という根拠は、私が確認した範囲では、ありませんでした。食べる量が落ちているときは、まず、食べられるものを、少量でも、回数を分けてとることを考えます。

西岡の考え

一番お伝えしたいのは、呼吸器内科の検査と治療が、この病気に向き合う中心だということです。漢方は、その治療を続けるうえで、胃腸、食欲、体重、睡眠、飲んでいる薬の重なりを整理する相談です。

「もう打つ手がない」と、一人で抱え込まないでください。主治医と情報を共有しながら、できることとできないことを、はっきりお伝えします。この考え方は、学会の解説とは別の、私の相談での考え方です。

相談の前に用意しておくと役立つメモ

  • 診断名と菌の種類、通院している病院、直近のCTと痰の培養検査の結果
  • 飲んでいる抗菌薬の名前と、始めた時期(経過観察中なら、その旨)
  • お薬手帳、市販薬、サプリメントの一覧
  • 咳、痰、微熱、寝汗、息切れ、食欲、体重の変化(日付と一緒に)
  • 直近の血液検査の結果

相談の方法・時間・料金

相談料は無料で、所要は30分から1時間です。継続して漢方薬を飲む場合の費用の目安は、毎月20,000〜25,000円ほどです。飲めるか不安な方には、1週間分から用意することもできます。金額と内容は、無料相談の際にご案内します。

オンライン漢方相談は、全国どこからでも受けられます。入口は三つあります。

まず質問だけしたい方。診断名、飲んでいる薬、気になる症状を、LINEで送ってください。相談をお受けできる状態かどうかを、先にお返事します。

何から確認すればよいか整理したい方。上のメモと、検査結果の用紙、お薬手帳をお持ちください。順番を一緒に決めます。

じっくり相談したい方。オンライン漢方相談、またはご来店でお受けします。お電話は 0120-789-301 です。

ご相談の流れ

  1. LINE、お電話、Web予約でご予約
  2. ご来店、またはオンラインで、診断、受けている治療、検査の結果、飲んでいる薬、暮らしを伺う
  3. 相談をお受けできる状態かを確認し、体質の主軸を整理する
  4. 漢方を使う場合は、抗菌薬などとの重なりを確認して、漢方薬をお渡しする
  5. 経過を確認し、検査の結果と合わせて、必要なら見直す

呼吸器内科の治療や抗菌薬を、自己判断でやめないでください。服用中の薬がある方は、漢方薬を足す前に、必ず医師と薬剤師にお伝えください。

相談を決めた方は、
オンライン漢方相談を申し込む >

葵堂薬局が確認していること

呼吸器内科(西洋医学)は、画像と、菌の検査で、病気の状態を調べ、治療の要否を判断します。葵堂薬局では、その見立てと治療を前提に、それに加えて、次のことを確認します。

  • 診断の状況(確定診断か、経過観察か)、菌の種類、通院と検査の間隔
  • 抗菌薬を含む、飲んでいる薬と、これまでに試した市販薬、漢方薬、サプリメント
  • 咳、痰、微熱、寝汗、息切れ、食欲、体重、胃腸の状態
  • 冷え、睡眠、舌の状態、血液検査の結果

これらは、私が相談の最初に確認していることです。確認したうえで、漢方を使うかどうか、使うなら抗菌薬などと重ならないか、を一緒に考えます。呼吸器内科より優れている、ということではありません。診察では見えにくい、暮らしと体の側の背景を整理する、補い合う関係です。

非結核性抗酸菌症の基礎知識

麻の表紙の本の上に置かれたメガネと、一枝の葉の写真

非結核性抗酸菌症って、どんな病気?

非結核性抗酸菌(NTM)は、結核菌群とらい菌を除いた、約200種類の抗酸菌の総称です。水系、土壌、動物などの環境中に広くいます。そのうち、人に病気を起こすのは、約50種類程度とされます。感染する場所は肺が最も多く、次いで皮膚です。国立健康危機管理研究機構の解説では、日本で肺の非結核性抗酸菌症の原因となる菌は、マック菌(M. avium complex)が80〜90%を占めます。

結核と違い、人から人へはうつりません。免疫の力が極端に落ちている方を除いて、人から人へ感染することはないとされ、患者さんの隔離も必要ありません。

患者さんの数は、増えています。2014年の全国調査では、肺の非結核性抗酸菌症の罹患率は、人口10万人あたり14.7人と推定され、結核の罹患率を初めて上回りました。検査会社のデータの解析では、2013年に15.3人、2017年に19.2人と、増えていることが推定されています。高齢の方に多い病気です。

どんな症状が出るの?

厚生労働省の解説では、主な症状は、長引く咳、痰、発熱、呼吸困難です。一方で、初期には症状がなく、経過がゆるやかなことや、悪くなったり軽くなったりを繰り返すこともあり、進み方や症状の出方は、人によって違うとされています。検診の胸部エックス線やCTで、たまたま見つかる方もいます。

血痰が出ることもあります。慢性的な炎症が長く続くと、気管支が広がる(気管支拡張)ことがあり、そこに痰がたまって、ほかの菌による炎症も起きやすくなる、と考えられています。血痰、急な体重減少、強い息切れがあれば、すぐに呼吸器内科に連絡してください。

どんな原因が考えられるの?

菌を含むエアロゾルを吸い込むことで、肺に入ると考えられています。ただし、吸い込んでも発症しない人がいて、発症には、その人の免疫や体質が関わると考えられています。高齢の方や、基礎疾患のある方で、発症しやすいことがあります。菌は環境中に広くいるため、感染を完全に防ぐことは難しいとされています。

診断と、一般的な治療

診断には、胸部CTなどの画像検査と、痰の培養検査が使われます。PCR法や抗体検査が役立つ場合もあります。菌は環境中にもいるため、検査で菌が見つかっても、本当に感染して病気になっているのかの判断が必要で、診断が難しいこともあります。

診断がついても、すぐに治療を始めるとは限りません。痰の塗抹検査で菌が見つかる、空洞がある、といった場合は治療を勧める考え方が示されていますが、体への負担、持病、画像の変化、菌の種類などを考えて、治療が必要かを判断します。経過観察になることもあります。

肺のマック症では、リファンピシン、エタンブトール、クラリスロマイシンの3種類を組み合わせる治療が標準とされています。病型によって、毎日飲む方法と、週3日の方法があり、空洞や強い気管支拡張がある場合は、注射薬のアミノグリコシドを併用することもあります。標準の治療を6か月以上行っても菌が出なくならない場合は、難治と判断されます。菌が出なくなってから、最低1年は治療を続けます。治療を終えたあと、5年で約40%に再燃または再感染がみられたという報告があり、慢性化や再燃することもあるため、治療の前後を通して、経過観察が大切です。

よくある質問

漢方で、非結核性抗酸菌症は治りますか

漢方で、菌が減ることや、病気の進み方が変わることを、お約束することはできません。診断と治療は、呼吸器内科で、検査を受けながら行います。漢方の相談は、その治療を続けるうえでの、体の状態の整理です。

病院では経過観察と言われました。漢方を飲んでもよいですか

経過観察中でも、相談はお受けできます。ただし、定期的な検査(CT、痰の培養)は、必ず続けてください。漢方薬の内容は、いまの体の状態を伺ってから決めます。咳や痰が増える、血痰、体重が急に減るなどの変化があれば、相談より先に、主治医に連絡してください。

抗菌薬の副作用がつらいとき、漢方で軽くできますか

軽くなる、とお約束することはできません。副作用と思われる症状があるときは、まず主治医に伝えてください。薬の量や飲み方、種類を調整できることがあります。そのうえで、胃腸や食欲の状態を一緒に整理し、漢方を使うかどうかを検討します。

病院の薬をやめて、漢方だけにできますか

できません。治療を自己判断で中断すると、病気が進んだり、薬が効きにくくなったりするおそれがあります。薬がつらい、続けにくい、という場合は、やめる前に、主治医に相談してください。

麦門冬湯や補中益気湯は、非結核性抗酸菌症に効きますか

非結核性抗酸菌症への効果は、医学的に確立していません。麦門冬湯は、痰の切れにくい咳に、補中益気湯は、病後の体力増強や食欲不振などに使われる漢方薬です。いずれも甘草を含み、重大な副作用があります。自己判断で使わず、主治医と薬剤師に相談してから決めてください。

家族にうつりますか

人から人へは、うつらないとされています。結核とは違い、隔離などの必要はありません。

費用は、どれくらいですか

相談料は無料で、所要は30分から1時間です。継続して漢方薬を飲む場合の目安は、毎月20,000〜25,000円ほどです。1週間分から用意することもできます。

自分の場合を整理してほしい方へ

ここまでの要点は、次の三つです。

  • 呼吸器内科の検査と治療が、この病気に向き合う中心です。抗菌薬は、つらくても、自己判断でやめないでください。
  • 血痰、急な体重減少、続く発熱、強い息切れがあるときは、すぐに呼吸器内科に連絡してください。
  • 漢方薬は、抗菌薬との重なり、肝機能、血圧とカリウムの値、咳や息苦しさの変化を確認してから考えます。

今日からできることは、次の三つです。

  • 診断名、菌の種類、飲んでいる薬、直近の検査結果を、メモしておく
  • 咳、痰、体重、食欲の様子を、日付と一緒に書き留める
  • お薬手帳と、飲んでいるサプリメントの一覧を用意する

相談を決めていない方も、次のどれかから始められます。

診断名と、飲んでいる薬、気になる症状を
LINEで送って、相談できる状態か先に返事をもらう >
用意するメモを見て、
何から確認するか整理する >
30分〜1時間の無料相談を、
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記事監修

漢方の葵堂薬局 代表・薬剤師 西岡敬三

西岡 敬三

漢方の葵堂薬局 代表/薬剤師

  • 1987年 京都薬科大学卒業
  • 1987年 帝国化学産業株式会社入社:新薬の研究(論文:実験的胃粘膜傷害に対するBenexate・CDの作用)
  • 1990年 帝国化学産業株式会社退社 漢方の修行へ
  • 1998年 漢方の葵堂薬局を開局。
  • 2001年 有限会社漢方の葵堂薬局 設立

中医学を中心に血液検査データを活用した分子栄養学やカウンセリングの考え方も取り入れ、一人ひとりの体質や生活背景に合わせた漢方相談も行っている。妊活、目の病気、自律神経の不調、自己免疫疾患、がん、肺疾患など、病院での治療と並行した体質改善の相談にも幅広く対応。

著書に『心もカラダもラクになる 血流の整えかた』『病院では教えてくれない 西岡式妊活で妊娠まっしぐら』がある。