主な症状は「強い痛み」ですが、その痛みを表現すると「骨が裂けるような」「体に風が当たっただけで痛みを感じる」「ガラスの破片が体内を巡っているかのような激痛がある」、それくらい強い痛みであることがその表現から感じられます。その痛みの範囲は全身、または一部だったり、流動的な場合もあります。これが、この病気の特徴の一つです。
また、随伴症状として、こわばり感、倦怠感、疲労感、睡眠障害、抑うつ、自律神経失調、頭痛、過敏性腸炎、微熱、ドライアイ、記憶障害、集中力欠如、レストレスレッグス症候群などを伴う事もあり、その症状には個人差があります。中には、リウマチや他の膠原病に伴って線維筋痛症が発症している場合もあります。痛みによって眠れないためストレスが溜まり、それがまた痛みを増強させるという悪循環もあるのではと考えられています。
関節や筋肉のこわばりは、膠原病(リウマチ性の病気)の症状と似ています。しかし、それとは異なり関節の腫れや変形といった炎症症状はなく、リウマチ性の病気と区別することができます。
線維筋痛症が重症化すると、普通では考えられないような事でも激痛が走るといいます。例えば、爪や髪への刺激、温度・湿度の変化、音などです。こうなると自力での生活は困難といっても良いでしょう。
これだけ、様々な箇所に痛みがあり、その他の付随する症状も含めて考えると、何科を受診すれば良いのか分からないという方も多いでしょう。また、痛みという明確な症状があるにもかかわらず、検査結果は「異常なし」となれば不安は募るばかりです。様々な病院を受診し「線維筋痛症」という病名が判明するまでに、何ヶ月も要する場合があるようです。
線維筋痛症の痛みは命にかかわることや、後遺症は無いと言われています。しかし、痛みそのものや、痛みによって引き起こされる精神的な部分の辛さから、日常生活に支障をきたしている方は多く、深刻な病気であることは間違いありません。