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肝臓の病気
肝硬変とは、慢性肝炎や肝障害が数年かけて段々と進行し、肝臓が硬くなった状態をいいます。慢性肝炎などで肝臓がダメージを受けると肝細胞が壊れます。肝細胞が壊れると、身体は肝細胞を再生します。肝細胞の破壊と再生を繰り返す中で、徐々にかさぶたやケロイドのような物質が増えていき、『線維化』と呼ばれる状態になってしまいます。
線維化してしまうと肝臓のなかにいくつもの壁ができてしまう状態になり、窮屈な壁と壁の間で再生のために肝細胞が造られて、『結節』ができます。肝臓が通常の機能を失い、硬く小さくなり、この結節の集合体になってしまった状態が肝硬変です。最悪、肝不全や肝臓がんに移行するため、早期の適切な治療が必要です。
肝硬変の主な原因は、『長期間』の『慢性的』な炎症とされています。肝臓の炎症を引き起こす原因としては、肝炎ウイルスに感染することが一番に挙げられます。B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスへの感染を原因とする肝硬変は、肝硬変患者の75%以上にのぼります。
肝炎ウイルス以外の原因としては、アルコールの過剰摂取によるもの、自己免疫による肝炎、薬物による肝障害などがあります。自己免疫による肝炎というのは、免疫システムが肝細胞を攻撃して壊してしまい、炎症が起きてしまう病気です。更に近年では、飲酒ではなく、脂肪肝から肝炎を引き起こし(『非アルコール性脂肪肝炎』という状態)、肝硬変に移行してしまうことも増えています。
肝硬変は『代償性肝硬変』と『非代償性肝硬変』に分けられます。
肝臓の機能が多少なりとも残っている、保たれている初期の肝硬変をいいます。だいたいの場合は無症状とされていますが、食欲不振、全身倦怠感、体重減少を伴うことも場合もあります。
肝臓の機能が代償できなくなった進行した肝硬変をいいます。
門脈圧亢進症は、肝硬変の合併症とされており、肝臓が硬くなることにより、肝臓に血液を送る門脈の血流がスムーズにいかず、門脈圧が亢進することによって起こる症状です。肝性脳症は、肝臓が機能しないことにより、血中のアンモニアが増えると起こるとされています。意識障害や最悪の場合、昏睡状態に陥ります。
肝硬変によって硬くなってしまった肝臓は元には戻りません。そのため治療は残った肝機能の維持が目標になります。肝不全や肝臓がんに移行しないように、合併症を併発しないように原因に合わせた治療が行われます。
B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスが原因であれば、薬物によってウイルスをなくす・減らす、抗ウイルス療法が選択されます。抗ウイルス療法では対応できないときには、グリチルリチン製剤などの抗炎症薬を用いた『肝庇護療法(肝炎を鎮静化させて悪化しないようにする治療)』が行われます。
自己免疫性肝炎の場合には、副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤が用いられます。厳しい食事制限は行われませんが、バランスの良い食事と適度な運動も必要となります。
腹水やむくみに対しては、塩分・水分の制限を行い、利尿剤やアルブミンが処方されます。食道胃静脈瘤は、内視鏡による治療や手術を行います。黄疸や腹水があるときには、安静が必要です。
ただし、過度な安静を保つと肥満や運動不足による筋肉量の低下を引き起こすので、日常生活の活動は制限されません。非代償性肝硬変では食事療法により、栄養状態に気をつけます。肝硬変の患者さんはタンパク質とエネルギーが不足しやすく、低栄養状態にあると考えられています。エネルギー不足にならないように一日4食以上に分けて摂取することを指導される場合もあります。
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