肝硬変によって硬くなってしまった肝臓は元には戻りません。そのため治療は残った肝機能の維持が目標になります。肝不全や肝臓がんに移行しないように、合併症を併発しないように原因に合わせた治療が行われます。
B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスが原因であれば、薬物によってウイルスをなくす・減らす、抗ウイルス療法が選択されます。抗ウイルス療法では対応できないときには、グリチルリチン製剤などの抗炎症薬を用いた『肝庇護療法(肝炎を鎮静化させて悪化しないようにする治療)』が行われます。
自己免疫性肝炎の場合には、副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤が用いられます。厳しい食事制限は行われませんが、バランスの良い食事と適度な運動も必要となります。