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免疫疾患
甲状腺の異常や障害によって、引き起こされる症状を全てまとめて『甲状腺疾患』と呼びます。甲状腺は新陳代謝を促進するホルモンを分泌する器官です。甲状腺疾患には、甲状腺ホルモンの分泌が過剰となって発症する甲状腺機能亢進症や、分泌が不十分であることによって起こる甲状腺機能低下症、甲状腺炎(急性・慢性)、単純性甲状腺腫、甲状腺がんなどがあります。
甲状腺ホルモンの異常により現れる症状は、全身の至るところに現れ、どこもかしこも調子が悪い、なんとなくツライという状況となります。はっきりとどこがおかしいと分からないことから、病気を見過ごしてしまったり、周囲からサボり魔という誤解を受けてしまうこともある病気です。患者さんの多くが女性という特徴があります。
甲状腺の病気は甲状腺腫や甲状腺炎を除いて、大体が甲状腺ホルモンの合成や分泌の過剰または低下によって引き起こされます。過剰や低下が起こる原因は、甲状腺ホルモンを免疫細胞が外部からの敵であると誤認して攻撃してしまい、甲状腺ホルモンのバランスを崩してしまうことからくるのです。
免疫により、甲状腺を刺激する抗体が作られると、その影響により過剰に甲状腺ホルモンが作られます。これが甲状腺機能亢進症であり、代表的な病気は「バセドウ病」です。
一方、 甲状腺機能低下症は、甲状腺の細胞を免疫システムが攻撃してしまい、甲状腺は炎症を起こし、甲状腺ホルモンを作らなくなってしまい、甲状腺ホルモンが低下してしまうというもので、代表的な病気は「橋本病」になります。免疫がなぜこのように誤認してしまうのかということは、解っていません。その原因が遺伝によるものではないか?とされていますが、この遺伝性についても有力ではありますが、結論付けられていません。
抗甲状腺剤の内服、甲状腺摘出手術、放射性ヨード内服によるアイソトープ治療などがあります。病態やライフスタイルによって選択されますが、まずは抗甲状腺剤の服用から始めることが多く、経過や長期間の薬の服用が不可能な場合に、手術やアイソトープ治療に切り替えることが多いです。
抗甲状腺剤の内服は、年齢に制限がなく、薬を規則的に服用できる人であれば、治療が行えます。甲状腺が小さい人が特に良いとされていますが、治療期間が長引くという点と甲状腺は縮小しにくいというデメリットがあります。また副作用として、白血球減少症や薬疹などを起こす恐れがあります。
甲状腺摘出術は、甲状腺の一部を摘出することによって、ホルモンの分泌を調整しようという治療法です。抗甲状腺剤で副作用を起こしてしまった人や甲状腺腫瘍を併発している人などが適用とされています。短期間で甲状腺機能が正常となる点がメリットです。手術なので、入院が必要となることと、手術の痕が残ってしまうこと、半回神経麻痺や副甲状腺機能低下症などの手術による合併症を発症する恐れがあること、甲状腺機能が低下することがあります。
放射性アイソトープ療法は、放射性ヨードを内服することによって、甲状腺の組織の一部を壊すことで、ホルモンの分泌を調整する治療法です。内服治療で効果が見られなかった人や手術後に再発してしまった人、心臓などに合併症がある人などに適用されます。経口投与なので治療が簡単に行え、甲状腺の縮小効果が認められます。妊娠希望者や妊娠中・授乳中にはこの治療は行えません。また晩発性甲状腺機能低下症を発症する危険があります。
甲状腺ホルモン剤を服用して経過観察します。甲状腺が肥大化して気管を狭窄している場合には手術が行われることがあります。甲状腺ホルモン剤療法は、足りないホルモンを薬によって補うだけで、甲状腺の機能が正常に戻ったわけではないので、この先ずっと服用を続けていかなければなりません。
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