抗甲状腺剤の内服、甲状腺摘出手術、放射性ヨード内服によるアイソトープ治療などがあります。病態やライフスタイルによって選択されますが、まずは抗甲状腺剤の服用から始めることが多く、経過や長期間の薬の服用が不可能な場合に、手術やアイソトープ治療に切り替えることが多いです。
抗甲状腺剤の内服は、年齢に制限がなく、薬を規則的に服用できる人であれば、治療が行えます。甲状腺が小さい人が特に良いとされていますが、治療期間が長引くという点と甲状腺は縮小しにくいというデメリットがあります。また副作用として、白血球減少症や薬疹などを起こす恐れがあります。
甲状腺摘出術は、甲状腺の一部を摘出することによって、ホルモンの分泌を調整しようという治療法です。抗甲状腺剤で副作用を起こしてしまった人や甲状腺腫瘍を併発している人などが適用とされています。短期間で甲状腺機能が正常となる点がメリットです。手術なので、入院が必要となることと、手術の痕が残ってしまうこと、半回神経麻痺や副甲状腺機能低下症などの手術による合併症を発症する恐れがあること、甲状腺機能が低下することがあります。
放射性アイソトープ療法は、放射性ヨードを内服することによって、甲状腺の組織の一部を壊すことで、ホルモンの分泌を調整する治療法です。内服治療で効果が見られなかった人や手術後に再発してしまった人、心臓などに合併症がある人などに適用されます。経口投与なので治療が簡単に行え、甲状腺の縮小効果が認められます。妊娠希望者や妊娠中・授乳中にはこの治療は行えません。また晩発性甲状腺機能低下症を発症する危険があります。