東洋医学の「五輪説」

目のお悩み漢方レッスン(3)

こんにちは、漢方の葵堂薬局の西岡です。

先日、介護士の知人がこんな話をされていました。

認知症の方は、自分は、今、どこで、何をしているのか認知していなく、置かれている状況が分かりません。ときどきスイッチが入ると驚くほど豹変して職員や仲間に暴力を振るってしまうことがあります。

スイッチが入った人は、目付きを見ると分かるのだそうです。

目尻が吊り上がり、目付きで「あ、この人スイッチが入った」と分かって対応するということで、「目は脳の出先機関である」という言葉を思い出しました、と、話されていました。

「目は口ほどに物をいう」
「目は心の鏡」
ということわざ通りですね。

目は単に、外を見るための器官ではないのです。

目は脳の出先機関

そもそも「目」とはどのような器官でしょうか。

目という器官は、私たちの身体の中でもかなり特殊な器官といえます。

唯一、体の外に露出されている臓器ですし、しかも、一部に透明な組織を持っています。目の表面から奥に至るまで、非常に多彩な構造で、そしてそれは脳に直結しています。

いうなれば「脳の一部が外界の情報を得るために飛び出してきた」脳の出先機関、つまり、目は脳の一部というわけです。

角膜に入ってくる外の光は、屈折した後、網膜に届きます。網膜に反映される像だけではモノを認識できず、網膜から入った情報が、電気信号として視神経に伝わり、脳に到達する必要があります。

脳で、細かい修正がされると、「物が見えた」と感じることができます。眼球だけは、見たものを認識できない、つまり、脳と目は一体となって、働いています。

東洋医学の「五輪説」

東洋医学には、「五輪説」という考え方があり、目のそれぞれの場所が五臓の影響を受けるとしています。

東洋医学の「五輪説」

肝→角膜
心→目頭、目尻
脾(ひ)→下眼臉(かがんけん)(下まぶたのこと)
肺→結膜
腎→瞳孔(どうこう)

目の調子が悪いとき、それは、目だけが原因とは限りません。

漢方医学では私たちの体には「経絡」(けいらく)という気が流れるパイプのようなものがあり、肝臓と目は繋がっていると考えられています。

つまり、肝臓と目のどちらかの働きが衰えていると、もう片方の働きも悪くなる、逆に働きがいいともう一方の働きも活性化するという事です。

実際に肝硬変になると目の白目部分が黄色く変色する事があります。

このように「眼」だけにとらわれることなく、他に内臓に原因がないかどうかを考えることは、東洋医学にとってはとても重要なことです。

次回は、「眼病は、身体の危険信号」です。