九味檳榔湯(くみびんろうとう) 【処方コンセプト】下肢のだるさ、疲労倦怠感が強い方に。脚気(カッケ:ビタミンB1欠乏症)で浮腫があり、息切れする方に用いる。現在は栄養状態がよくなり、脚気はほとんどなくなったが、食生活の偏りで脚気様症候群はみられる。そのようなタイプにもよく使われる。 効能 本方の主薬は檳榔子と大黄で、この両薬で瀉下・逐水(排便により余分な水分を排出)の働きを発揮し水毒を改善する。また、本方の構成は、大半が理気薬からなり、体表や体の上部は桂皮・蘇葉・生姜が、 腹部は、檳榔子・橘皮・呉茱萸・茯苓・甘草が、下半身は木香・厚朴・大黄で気を巡らす。それぞれの部位の浮腫や気滞を取り除き、水分代謝を円滑に進めることが出来る。本方は理気・利水の代表処方である。 漢方薬一覧へ戻る