玉屏風散(ぎょくへいふうさん) 【処方コンセプト】汗をよくかき、疲れやすくて、風邪をひきやすい方この処方名のキーワードは、屏風(びょうぶ)という言葉である。屏風は壁のように完全にものを遮断してしまうのではなくて、必要なものを通過させ、入ってはならないものをくい止める働きがある。頭に玉(ぎょく:宝飾品などの意味)がついているのは、大変貴重なものという意味。屏風で(免疫力で)外からの邪を防ぎ、外的要因から身体をしっかり守る薬と考えられる。 効能 2味の補気薬と1味の袪風薬(風邪を追い払う)で構成され、主薬の黄耆と白朮で、肺と脾の気を補い、増強する。とくに肺気が充実され、体表部を固摂する機能が回復すると、汗腺の開閉も正常になり、異常な汗は止まる。少量の防風を配合して、風邪の侵入を防ぎ、かぜなどの感染症を未然に防止する。 まさに漢方の治療原則の扶正袪邪(抵抗力を高めて、病原菌を寄せつけない)に基づいた配合である。 漢方薬一覧へ戻る