人間の身体は通常、座った状態から立ち上がったり、寝ている状態から起き上がっても、心拍数を上げたり、血管の収縮を調整することによって、血圧が安定し血液が一定に身体中に行き渡っている状態を保ちます。
起立性低血圧というのは、これらの状況でうまく血圧を安定させられず、血液が一時的に脳に届きにくくなってしまうことで、めまいなどを引き起こしてしまうのです。起立性低血圧は、もともと低血圧の人が一時的に脳に血液が届かなくなることで起きる場合の他、自律神経系の不調によっても起こります。
自律神経の機能不全の原因は、ストレスなどによる純粋な自律神経機能不全以外に、シャイ・ドレーガー症候群(多臓器萎縮を伴う自律神経障害)とパーキンソン病による自律神経失調症があります。他にも加齢や内科疾患、自己免疫疾患などが起立性低血圧の原因となる場合や、薬剤の副作用によって引き起こされる場合もある症状です。