帰脾湯(きひとう)

【処方コンセプト】身も心も弱り、心(精神)の疲れを訴える方に。
このタイプの方は、食欲もあまりなく、そのために体を滋養できなくて、疲れやすい。そして、栄養不良が災いをよび、肉体だけではなく、心も満たされず精神神経症状や不眠などを訴えることになる。

効能

補気の基本方剤である「四君子湯」に、黄耆(おうぎ)を加えると、補気の働きが増強でき、理気(気の巡りを改善する)の木香(もっこう)によって、脾胃の気を調え、食欲を増進させる。養心安神(心血を補って鎮静させる)の竜眼肉(りゅうがんにく)、酸棗仁(さんそうにん)、遠志(おんじ)や当帰(とうき)で心を滋養し、動悸、不眠などの症状を改善する。補気補血の効能を充分に発揮させ、さらに安神薬により不安を取り除く。また、人参と当帰で新血をつくる。